【白布賢二郎】ヒロインの条件【HQ】

5話 ページ5

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「おはよ、白布」

「おはよ」


朝練の後、教室に入る。
世界史選択だったり部活のあと一緒に帰ったりと、何かと仲良くなった白布。

ついでに言うと、世界史選択のカップルとも仲良くなった。
彼女の方は小さくて可愛いし、彼氏の方も基本優しい。

しかしイチャつきが酷いため、白布と行動することの方が多い。


「なあ、ルイ何世だっけこれ」

「32」

「嘘つくなよ」


問題集を見せてそう聞く白布。
私がそんな予習をしてるわけがないのに。
開き直れることではないけれど。


「てかお前、なんか変じゃね？」

「なにが？」

「ほら」


白布が私の髪に触れ、ピン2個をとる。
そしてそのままそのピンをばってんにして、前髪をとめる。

すげー変なとこについてた、と笑った。
朝練の後時間が無くて鏡も見ずに留めたからだろう。


「お前、髪柔らかいな」

「遠回しにくせ毛って言ってる？」

「まあ俺、直毛だから」

「うざ」


鏡で白布の留めたピンをみる。
綺麗にバツ印。
白布って器用だな。

少し気になって触ってみる。
ピンの硬さと髪の柔らかさが混じってなんだか気持ち悪い。


「ありがと」

「お前、髪伸ばせば？」

「邪魔じゃん」

「そんなロングじゃなくて、肩につかないくらいとか」

「似合わないからいいよ」


私は笑いながら言った。

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