15話 ページ15
*白布side
「あとね」
Aは少し恥ずかしそうにはにかむ。
俺を見て、小さな声。
カエルや虫の音にかき消されてしまいそうなほど。
「そう思っても、変わろうとしなかったんだ、私。どうせ無理だって。でも変わるきっかけくれたのは白布だよ」
以前よりも少し長くなった髪。
髪型のことはよく分からないけれど、それだけじゃない。
いつもカサカサしていた唇から、リップを塗り始めてつややかな唇に。
無造作に切られていた爪から、ヤスリで整えられた綺麗な爪に。
手荒れをしていても気にしてなかったのに、桃の香りを漂わせるハンドクリームを付け始めた。
言葉遣いだって、表情だって、前よりもずっと柔くなっている。
「そんなきっかけあげた覚えはねえんだけど」
「あげようと思ってあげてたらほんとに引くよ」
顔を合わせて笑った。
笑い声と砂利を踏む音が混じって響く。
正直Aが変わってしまうのは寂しい。
でも、変わるきっかけが俺だと聞いて安心している。
可愛くなるきっかけが俺、なんて。
そんなのまるで告白じゃないか、そう自惚れてしまう。
可愛くなろうとするAが一番可愛いよ、なんて言えるわけない。
「はっず」
「なんか言ったー？」
「なんでもねーよ」
夜ならきっと赤くなってる耳も見られない。
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咲曲 - とてもドキドキと悶えながら読みました！とても面白かったです！ (10月8日 0時) (
レス) @page24 id: a4e2c99ea5 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！どんどん距離が近くなっていく二人を見るのが楽しかったです！好きな子が自分をきっかけに可愛くなるって絶対嬉しいですよね！ (2021年10月16日 11時) (レス) @page28 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - 朔さん» コメントありがとうございます。伝えたいことをしっかり汲み取った感想、本当に嬉しいです。ご愛読ありがとうございました！ (2020年1月13日 10時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - 完結おめでとうございます(≧∀≦)思わず笑顔になるような素敵な作品をありがとうございます！ これからしらぶんと接していく内にどんどん可愛くなっていくんだろうな〜と空想してます(笑) 学校、お疲れ様です。体を大切に、無理はしないでくださいね(*^^*) (2020年1月13日 9時) (レス) id: 3b40186626 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂ける作品を作れて幸せです。ご愛読ありがとうございました！ (2020年1月13日 9時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
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