恋人未満の恋人【桃】season7

#253 ページ10

そして俺は正座して話し出した。

「……実は、厳密に言うと春から……」

「え！そんな前から？」

驚きを隠せない状態にもなるよな。

「でもそれは嘘の関係だった」

「……？どゆこと？」

そりゃ分かんないよな。

「関係を持つ前俺は付き合ってた彼女にフられた、そんときにお前が来た」

あの人気のない場所にな。

「そんで俺がなんでこうなるかを知りたいって言ったときお前はな」

「私が……？」

「自分と付き合って調べてみないかって」

まぁ俺も最初は空耳かと思ったけどな。

「そこから嘘の関係が始まったの？」

「そ」

でも本題はここから。

「でも、嘘の関係ながら俺等は何回もキスしてる」

「……嘘！？」

「残念ながらお前のファーストキスはもう俺が貰ってんだよ」

こいつ浮ついた話なかったからな。毎回男子玉砕してた話聴いたから。

「そんで本当に付き合い出したのは文化祭の後夜祭で俺が告白して付き合った」

「……だから私の弱い部分も受け入れてくれてたんだね」

そういえば行動は無意識でも熱の時は覚えてるのか。

「ちなみに初めてお前の身体を見たのはクリスマス・イヴ」

ただし下を除いて。

「……初めてしたのは？」

「……2月か3月」

そこら辺は曖昧なんだよな。なんせこいつの身体が俺の脳内に上書きされたから。

全てを話し終わるとAはベッドに突っ伏していた。

うーん、こいつピンクのオフショルワンピースも似合うなんだな。

なんて呑気なことを考えてた俺だった。

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