恋人未満の恋人【桃】

#28 ページ32

あれから最後に来た場所は雑貨店。

「んー……」

こいつは真剣なんだけど色んなルームフレグランスの香りがする。

鼻が可笑しくなりそうだ。

「バラとかもいいけど柑橘系も捨てがたいなぁ」

まず俺の鼻が可笑しくなる前に決めてほしい。

「やっぱり柑橘系が爽やかでいいかな…ねーさとみどうも思う？」

「1つ言うなら俺の鼻に頼るな、今変になりかけてんだよ」

「大袈裟だなー」

そう言いながら黄色い液体の入ったフレグランスを手に取る。

柑橘系の香りか。間違いないやつだな。

あいつの部屋入るといつも微かに鼻孔をくすぐる匂いがする。

それは大体ルームフレグランスの香り。

前は優しい石鹸の香りだった。

「お待たせ〜帰ろっか」

やっとか。それからは他愛のない話をしながら家に帰る。

家に着き俺は自分の家の鍵を取ろうとポケットに手を入れる。

「あれ？」

しかし鍵がない。……あ！

「ヤバい……俺夜まで入れねぇ」

「え、どしたの？」

今日父さんは同僚との飲み会で遅くなるし母さんも友達と食事。

そして鍵を持って行き忘れた……。

つまり俺は夜まで家に入れない。

「じゃあうち入れば？」

「え？」

「お父さん今おじいちゃんぎっくり腰で九州に帰省中なの」

そんじゃあおばさんは？と聞こうとする前に応えた。

「お母さんは同窓会で帰ってくるの遅いの」

つまり年頃の男女が家で二人っきり……？

お前俺に襲われても文句言えねぇぞ！？と言うと。

「何言ってんの、たかが幼馴染の家に入るくらいじゃん」

なんてなんの心配もしてないことを言われた。


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世間はもう冬休みですね〜。
春から設定で書いてるこれは真逆の夏前。
ちなみに何故父親が九州出身にしたのかと言いますと…。
作者の父親が九州出身だからです。(佐賀県)

父よありがとう、お陰で出身地あまり悩まなくて済んだぞ…。

あ、ちなみに作者は関西で住んでいるゆえジェルくんとか書きやすい。
関西住みが思わぬところで役立つもんですね〜。

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