396話 ページ31
奥には暗がりが広がっていて。
そしてその暗闇に目が慣れる暇もなく、後方で扉が開かれる音がした。
ハッとして振り返ったAの視界に、たった今通った通路を駆けてくる影が見えた。
一層強くなった獣臭と、暗闇の中に光る瞳を見れば、そこに犬かその類の動物がいることが分かる。
ザックはサッとAとその影の間に入り込み、毅然とした態度でそれらを待ち構える。
血走った目が、ザックとAを睨みつけていた。それと対峙するザックの気配もまた獣のように鋭いもので、獣たちがいきなり襲いかかってくることは無い。
徐々に暗闇に目が慣れてくると、獣の姿が見えるようになる。
ヨダレを垂らし、喉をグルグルと鳴らしながら、獲物たる二人の姿を眺め続ける、三体の薄汚れた大型犬。
それを見たザックは、ハッ、と声を漏らした。その響きはどこか楽しげに聞こえる。
「おいおい、でっけー犬だな。どーなってんだよ、ここはよぉ」
ザックがカマを構えれば、大型犬はしゃがれた声でギャンギャンと吠え始める。そんな大型犬に怯えることなくザックは犬を挑発した。
「腹でも減ってんのか？ よだれまみれで汚ぇんだよ」
挑発された犬のうちの一匹が躍り出て、ザックの足にその鋭い牙を食い込ませた。
しかしザックは怯まない。足に噛み付く犬に向かってカマを振りかざし、「おら！噛むなら叩いてやるぞ！」と脅す。
一瞬甲高い声を出して大型犬はザックから離れるが、再び大声で吠え始めた。
まるで、怯えているがごとく。執拗なまでにザックを威嚇し続ける景色は最早狂気的とも言える。
そんな三匹を前にしてザックはニヤリと笑った。
「やられんのは嫌ってかぁ？ ……ぶっ殺してやるよ！」
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リア(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、コメントありがとうございます！そしてお返事が遅れて申し訳ありません……！ようやく夢主が前に進む覚悟を決めることができました。残るフロアはあとわずかですが、ぜひ最後までお付き合いください。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします！ (2021年9月25日 2時) (
レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 続編おめでとうございます！！楽しみに待っていました！夢主ちゃんが、きちんと前を向いて進んでいけそうなので、ホッとしました。次はいよいよB1……。夢主ちゃんがどう動くのか、とってもワクワクしています。リアさんのペースで、更新頑張ってください！！ (2021年9月4日 17時) (レス) id: 0ff7621059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2021年9月1日 16時
