106話 ページ16
入った先の部屋は、広い部屋だった。しかし真ん中は鉄格子で仕切られていて、両側を行き来することはできない。
鉄格子の反対側に、ザックはいた。その目はギラギラと光っていて、まるで獣のよう。
「ザック、この部屋は……」
Aは様子がおかしいザックに恐怖すら感じたが、レイは臆する様子もない。
鉄格子に近づいて、ザックに声をかける。
「あぁ……鍵はしめられたみてぇだし、あんのは注射器だけみてぇだ。どーしろってんだよ。注射でもうってラリっとけってか？ ハッ」
ザックの嘲笑を聞いて、Aは部屋の中央に設置されているテーブルの上を見た。
そっと近づくと、それは中に怪しげなオレンジ色の液体が入っている注射器だった。ザックの方にも、同じように注射器が置かれている。
(本物だ……さっき、わたしがもらったものと同じ……)
レイが注射器を手に取った。中身の違うそれらをじっと見つめて観察する。
「あっははははは！」
頭上から降ってきたそれは、聞き覚えのある笑い声だった。しかし、今までとは違って、ノイズが混ざっている訳では無い。直接、耳に飛び込んでくる。
「はぁい！ 生身では初めまして！」
その声は頭上から聞こえてきた。見上げると、中二階になったフロアに、キャシーが立っていた。
「キャシー……！」
「おい、クソサド女！ 今度はなんだ！」
Aとザックが同時に叫ぶ。キャシーがいる中二階へ上がる階段はなく、しかも中二階は防弾ガラスで覆われていて、手出しが出来ないようになっていた。
「あらザックったら、こんな美女相手にそんな口をきくなんて相変わらず！ でもそんなところもシビれちゃうわ！」
キャシーは優雅に三人を見下ろしながらくすくすと笑う。
「うるっせぇ！ 降りてきやがれ、ぶっ殺す！」
「────死ぬのはあなたたちなのに、何を言ってるの？ お馬鹿さん」
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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д｀)w (2018年10月4日 21時) (
レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます！最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください！ (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年9月8日 19時
