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93話 ページ3

「……少し待ってくれたら、ふらふらするの治ると思う……」



 レイがそう答える。それを聞くと、ザックは辺りを見回して、通路の脇のスペースに入り、レイとAを誘導する。



「……ここはカメラにうつんねぇ。ここでなら待ってやるよ。だから、早くしろ」


「……うん」



 レイが壁にもたれかかって、床に座り込む。ザックと、Aも、腰を下ろすと、息をついた。


 その辺りは、まるで倉庫の中のようにいろいろなものが放置されていて、レイはその中の一つに頭を乗せて目をつぶった。レイはまもなく、寝息をたてだした。



(……レイ、寝ちゃった)



 Aは黙ったまま、レイの寝顔を見つめた。金色の髪の毛が頬にかかっている。



「……寝てると真っ白でさらに人形みてぇだな、こいつ」



 ザックが、独り言か、Aに話しかけたのかは分からないが、そんな言葉をもらす。



(……ほんとに、真っ白で、人形みたいに綺麗。……なんだか、子どもじゃないみたい)


 レイの長いまつげを見ながら、そんなことを思う。レイの容姿も、冷静な態度も、どこか子供らしくない。違和感を、感じるほどに。



「おい、なにぼーっとしてんだ」



 ザックがそう呼びかけてくる。Aはふっと顔を上げた。



「……ごめん。ぼーっとしてたかな。わたしも、毒が回ってるのかも。……私、ずっとガスマスクつけてたくせに。情けないね」



 少し目を伏せるとAはため息をついた。



「ガスマスクがどうとか、気にすることねぇだろ。生きてんだからそれでいいんだよ。お前も、ちょっと休んだらどうだ。俺も少し休む」



 ザックがそういうと、カマをかついだまま壁にもたれかかって、静かに目を閉じる。



「うん」



 Aがこたえたときには、ザックはすでに眠っていた。

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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д`)w (2018年10月4日 21時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます!最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください! (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2018年9月8日 19時

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