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22話 ページ23

緊迫した状況の中、首筋に汗がつたう。掠れそうな声で拒絶の言葉を吐き出した。



「やめて、離して」



 当然といえば当然、ダニーは離さなかった。骨ばっているが、確実に力強い男性の形をしたダニーの指がぎしぎしとくい込んでくる。



「君は、前はそんな目じゃなかった。もっと、ずっと暗い目をしていた。でも、今は違う」


「あなたはわたしの何を知ってるの? わたしがどんな目をしようと、勝手でしょ」


「僕は君をよく知ってるって何回も言ってるだろう? 君自身のことを、ここで思い出させてあげようか?」



 ダニーは嗤うと、そっとAの耳元に口を近づけた。そして囁きかける。





 君は、────────。






「……!」



 頭を鈍器で殴られたかのような、熱い衝撃が襲った。激しい頭痛とひっくり返るかのような目眩、こみ上げる吐き気。苦い何かが、思考を鈍らせていく。グズグズと脳みそが溶けていくようだった。



 ダメ、ダメ、ダメ。


 こんなの耐えられない。


 耐えていたくない。


 ────忘れてしまえ。


 ふっ、と力が抜けた。



 次の瞬間には、Aの目の中から一切の光が消え去った。まるで虚無の中にいるような、何もうつさない瞳。


 ダニーがその目を見て、歓喜したようにニヤリ、と口元を歪ませた時、Aの体はその場に崩れ落ちた。ダニーがその体を支えると、Aに意識はなかった。気を失った人間の体は重いと言うが、Aの体はまるで死体のように重かった。


 完全に気を失っている。


 閉じられてしまったまぶたを見てダニーはため息をつくと、手術台にAをもたれさせた。


 今はまだ、Aを手術台に乗せるつもりはない。それに、それをすることは許されていない。目が覚めたら、また、少しずつ、少しずつ絶望を植え込んで、あの目に戻していかなければ。



 それに────。



 ダニーは奥の部屋で未だ『忘れ物』を探し続けている少女のことを思い浮かべた。ダニーは少したかぶった、興奮した気持ちで奥の部屋に入っていった。

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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます!この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね!色々試してみますね、ありがとうございました! (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね!ところで、背景の色を変えたりはしないのですか?それやると面白さが上がると思いますよ! (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2018年8月4日 21時

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