21話 ページ22
その部屋は、廊下を曲がった突き当たりにあった。
「ここは手術室……？」
「そうだよ」
「……少し、怖い」
そりゃそうだ。様々な器具が散らばっていて、部屋全体は雑然としていながら、どこか無機質で。それだけではない、器具には血痕のようなものが付着している。
Aは顔をひきつらせた。不気味な場所だ。薄緑色の手術台には誰かが引っ掻いたような痕跡がある。誰かが、苦しんで、もがいたような。
「ねぇ、ふたりとも。君たちの目……よく見せてくれないか？」
ダニーはレイに近づいていく。Aはなぜかそれを萎えた気持ちで見ていた。
「あぁ、レイチェル……本当にキレイな目だ……なのにすっかり、恐怖に怯えた目をしてしまって…まるで普通の目のようで……僕は悲しい」
ダニーはAにも近づいてきて、灰色の瞳の中を凝視する。Aはぎゅっと目をつむりたくなった。
「ほら、君もだよ、A。君たちの本当にキレイな目を見たい……この悪夢から目を覚ませば、君たちの瞳に映る、あの月のような美しい静けさは戻ってくるのかな……？」
まるで詩を朗読するかのような口調。ダニーはAの目の周りをそっと撫でながら悲しそうに微笑む。
「僕はね、君たちの瞳のそばで生きていたいんだ」
レイが後ずさる音が聞こえた。
「あぁ、そう言えば……僕、奥の部屋に忘れ物をしたみたいだ。レイチェル、よければ探して来てくれないか？」
「何を忘れたの……？」
「覚えてないのかい？ なら、ヒントをあげる」
ダニーは楽しげに口元に人差し指を当てて、呪文を唱えるように言った。
────『僕の瞳はアレキサンドライト』
レイは首を傾げた。だが、それでも奥へと進んでいく。
「……先生、わたしも行く」
そう言ってレイの後を追おうとすると、ダニーに腕を掴まれる。
「君はここにいなさい。奥の部屋はとても暗いんだ。君は、暗いところが苦手だろう？」
「……どうして知ってるの」
「言っただろう……？ 僕は君のことをよく知ってるって」
Aは思わず掴まれた腕を振り払った。ダニーはまた楽しげに笑う。
「だから、僕は以前の君を知ってるんだ。ずっと、ずっと、暗い目をしていた君のことを」
ダニーが突然肩を掴んできた。驚いて後ずさろうとするも、体が固まってしまって動けない。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
