【ツイステ】ヴィルが主役をやる話

一話 ページ2

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A・オリバー。

アクションやサスペンスが人気の映画監督で、迫力とハラハラ感は彼の専売特許である。

特に、世界最大の映画祭で最優秀作品賞を受賞した【煙猫】は社会現象を巻き起こし、映画のワンシーンを真似する若者が現れるほど。


そしてヴィルもその無邪気な若者の一人であったので、いっしょに仕事をするのが夢だった。

いやまさか叶うとは思っていなかったが。




｢え、どうしましょう、アタシ生きてクランクアップできるかしら｣

｢めっちゃ羨ましいんだけどサイン頼んでいい？？？｣

｢お、俺もいいか？｣

｢時間が余ったらよ……｣




少年達は廊下でわちゃわちゃ喜んだ。
いつもなら断るヴィルがサインを一応許可してくれたし、なにより同級生として純粋に凄いと思ったのである。


一同はそろそろ授業が始まってしまうことに気付き、食堂で会う約束をしてから解散した。ヴィルは何だか夢の中にいるみたいで、フラフラと講堂に向かう。


授業中も彼の心臓は早鐘を打った。

正直集中なんて出来ない。あぁ早く終わらないかしらとまで思った。

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