1章 長く幸せな夢を見ていたような〈2話〉 ページ6
そう言えば、看板を出したままだった。「今日は。」ノイズ混じりの低い声の人。男の人だ。「あれえ？誰も居ない？」次も男の人の声だが最初の人とは違う。明るくて綺麗な声。2人も人が一緒にいるなんて珍しいな｡そう思っていると、「入るよー｡」と声がして慌てて「はぁーい。」と答えた。
ちりん。
扉の鈴が鳴った。入ってきたのは2人の青年。両者共に神官服だが、片方はかなり着崩している。そして、ぼさぼさの濃い茶色の髪と瞳を持つ。
「何日振りかしら、お客さんよ！」
こすずは90日振りの客に興奮する。彼女は基本人なつっこいのだ。そんなこすずを無視して彼の知人の方はティーを向いて笑う。
「わはぁ、少女!久しぶりに見た。400年位？可愛いね、名前は？」
知人がティーに名前を訊いてきた。かなり危なそうだった為警戒することにした。カウンターの後ろに入り、そこにある棚の拳銃を表から見えないように手に取った。
「あ、貴方方のお名前を教えて頂ければ、答えます。」
「あちゃあ、警戒してる？してるよね。大丈夫、怪しい者じゃないよ。僕はレイ。この陰気な奴はジェアイね。で、君は？」
「…トルダリッグスです。こちらはこすず。」
ティーは名乗ってこすずも紹介した。すると、レイと名乗った青年はこすずを睨み付け、だが直後視線をティーに戻し笑顔になる。ジェアイと紹介された青年の方は見る事すらしていない。
「あの…何のご用でしょうか。」
警戒しながら訊いてみる。
「武器が欲しいだけさ。」
レイが言うと、
「そうでしたか。警戒してしまい申し訳ありませんでした。今の御時世、私達のようなひ弱な者だけですと危険もあります。ご要望の品をおっしゃって下さい。」
ティーは営業用の笑顔で快く言った。只の客に過剰に警戒するのは良くない。必要もない。
そんな不可解な様子を見てジェアイが怪訝な顔をした。
「いいのかよそんな無防備で｡レイは悪人だぜ？」
出会って2回目の発言だ。彼が無口過ぎなのかレイが喋り過ぎなのかは不明だが、もう少し感情表現に努めて欲しいとティーは思う。
「酷いな｡ジェアイ君は。僕だって傷ついちゃうよ？腹いせに〈暴発者〉にお引き渡ししちゃうよ？」
「唯一の友人だと思ってる奴にこんな事言う奴なんだけど、大丈夫？」
物騒な人のようだが、なんだか素敵で楽しい。少し笑みがこぼれる。
「ふふっ、大丈夫ですよ。お客様に無礼な真似は決して致しません。」
それを聞くと二人共怪訝な顔をした。
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弧瑠十 奏(プロフ) - 00さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると頑張れます。これからも是非ともよろしくお願いいたします！ (2022年6月4日 18時) (
レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
00 - コメント失礼します。とても面白かったです！本当にお話を書くのがお上手ですね。パート2も楽しみにしています!! (2022年6月4日 11時) (レス) @page46 id: 4683564af1 (このIDを非表示/違反報告)
弧瑠十 奏(プロフ) - 更新かなり遅くなりました。申し訳ございません。 (2021年11月30日 6時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつあめ(プロフ) - 検定頑張ってください (2020年10月26日 8時) (レス) id: f82d3976b3 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - 白夜の世界さん» 有り難う御座います！とても嬉しい御言葉です。これからも、頑張ります。 (2020年6月9日 16時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弧瑠十 奏 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aaaD
作成日時：2020年2月25日 21時
