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1章 長く幸せな夢を見ていたような〈3話〉 ページ7

ジェアイもレイも怪訝な顔をした。レイに関しては凄く凄く彼女を苛めたくなってきたが、一応は我慢しておいた。

「へえ、まいいや。じゃあトルダリッグスちゃん、出来るだけ小さくて精密性と威力が高い拳銃頂戴。」
「畏まりました。所持許可証はお持ちですか?」

 さっきからなんなんだ。この甘ったれたお嬢ちゃんは。レイはつい思ってしまった。凄く苛めたい。だがその気持ちは再度心の中にしまっておいた。

「こんな御時世にそんなもん要る?」
「ええ。店舗登録でそれを条件に承諾して頂きました。」
「ふーん。でも僕それ持ってないから。」
「それでは残念ですがお渡しし兼ねます。」

 レイはつまらなそうに一度身を引いて、直後にっこりしてカウンターの向こうのティーに銃を突き付けた。ベルト後方のホルスターに収められていたらしい、シングルアクションの6連発リボルバー拳銃だ。額に当たった銃口の冷たさが全身に広がる。害を加えようとしていることがよく分かり、ティーも先程からずっと持っていた6連発のオートマチック拳銃の狙いをレイの頬に合わせた。
 何故心臓や頭を狙わないかといえば、殺したくない、という理由とは真逆の理由だ。ティーは人の急所が分かる。特殊体質のようで、他の人は見えないようだが自分には『歯車』が見える。経験上、それを破壊することで今の人類は死ぬ。心臓や頭を攻撃しても大体は平気なのだ。自分には右目にある。レイの右頬のやたら動きの速いものだって、ジェアイの左足首の今にも止まりそうなものだって見えていた。

「うへえ、怖いね。でも可愛いね。早々『歯車』を狙うんだ?僕は絶対頭じゃないからこうしてるのに。」

1章 長く幸せな夢を見ていたような〈4話〉→←1章 長く幸せな夢を見ていたような〈2話〉



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弧瑠十 奏(プロフ) - 00さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると頑張れます。これからも是非ともよろしくお願いいたします! (2022年6月4日 18時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
00 - コメント失礼します。とても面白かったです!本当にお話を書くのがお上手ですね。パート2も楽しみにしています!! (2022年6月4日 11時) (レス) @page46 id: 4683564af1 (このIDを非表示/違反報告)
弧瑠十 奏(プロフ) - 更新かなり遅くなりました。申し訳ございません。 (2021年11月30日 6時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつあめ(プロフ) - 検定頑張ってください (2020年10月26日 8時) (レス) id: f82d3976b3 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - 白夜の世界さん» 有り難う御座います!とても嬉しい御言葉です。これからも、頑張ります。 (2020年6月9日 16時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弧瑠十 奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aaaD  
作成日時:2020年2月25日 21時

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