3章 朝焼けを望む小川の畔にて〈8話〉 ページ27
「へえ、何でも訊いていいから。」
「…………。」
「?」
「いえ……。あの、『政府』について教えて下さい。」
――――――本当は、無理してることに気付いてほしかった。気付いてもらって、心配してほしかったのに。
殆ど口パクでジェアイに聞こえない程度の声で、
「馬鹿。」
と呟く。肝心の彼は何にも気付かず話を進める。
「政府ってのは、フェアクト教、まあ今はフィークト教って言う方が多いけど。その教団の子孫10人で出来た組織だ。レイもその一人。」
「10人ですかっ?!」
「10人ですよ。」
それは、ティーには信じがたいことだった。この時代に10人が集まる組織なんて、そうあるものではない。惑星の人類の十分の一が集まるということになるからだ。
「今の人って100人居ないんでは……。」
「あ?ちょっとそれ、いつ、何処で知った?」
ジェアイが、彼にしてはあからさまに興味を示した。一見すると興味があるように見えない。しかし、今までの彼の態度と比べれば一目瞭然であり、特別気に止めているようだった。
「8、90年前からラジオで……。あ、今ありますよ。」
そう言ってティーが鞄から出したのは、錆だらけで使える事が奇跡のような、掌程のラジオだった。
3章 朝焼けを望む小川の畔にて〈9話〉→←3章 朝焼けを望む小川の畔にて〈7話〉
12人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弧瑠十 奏(プロフ) - 00さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると頑張れます。これからも是非ともよろしくお願いいたします! (2022年6月4日 18時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
00 - コメント失礼します。とても面白かったです!本当にお話を書くのがお上手ですね。パート2も楽しみにしています!! (2022年6月4日 11時) (レス) @page46 id: 4683564af1 (このIDを非表示/違反報告)
弧瑠十 奏(プロフ) - 更新かなり遅くなりました。申し訳ございません。 (2021年11月30日 6時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつあめ(プロフ) - 検定頑張ってください (2020年10月26日 8時) (レス) id: f82d3976b3 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - 白夜の世界さん» 有り難う御座います!とても嬉しい御言葉です。これからも、頑張ります。 (2020年6月9日 16時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:弧瑠十 奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aaaD
作成日時:2020年2月25日 21時