【実l況l者】ねえ、パートナー【ky】 (ページ30)

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キヨ「やっぱ知らねえことばっかなんだよ俺たち」

自動販売機で買ったジュースを一口飲んで俺は言う。知らないことなんてあって当然だし、俺も、たぶんAも、それを全部知りたいだなんて思ってない。

そりゃあ知れたら嬉しいけど、言いたくないことまで吐かせて過去のAを全部さらおうだなんて思ってない。でもちょっと、興味が出たことを聞くくらいならいいだろう。

キヨ「なんか学生時代の話とか聞きてえなーって」
A「知ってるでしょ大学で何やってたかとか」

学生時代にコンプレックスがある人というのは意外に多いもので、触れていいのか分からないラインだった。だからちょっと勇気を出して言ってみたのだが、彼女には意図が伝わらなかった。

キヨ「ちがうちがう、JK時代とか」

キヨがそう言うと犯罪臭すごいね、そうバカにして笑いながら、俺の言葉を理解して思い出す仕草をするA。

A「良くも悪くもふつーだよ」

まあ結局のところ普通が一番だけどな。でも彼女の言う普通はときどき普通じゃないのだ。これくらい普通だよ、とか笑いながらやべえことやってのけるときとか、めちゃめちゃある。

A「でもまあ、楽しかったけどね」

本当に楽しかったんだろうな、ってわかる優しい笑い方に心が持ってかれそうになる。