ハイキュー恋愛短編集part7

黒尾鉄朗と。2 ページ21

黒尾「…席隣じゃん、よろしくねAさん」

胡散臭い顔や髪型に反して、その声や口調は優しかった。名前を覚えていてくれたのも正直嬉しかった。

友達の多いこの人の隣の席になってしまったということは、休み時間は私の席を使われるし、よくわかんない女子に妬まれたりするんだろうと勝手に考え、落ち込んでいたのだが、…これは、もしかしたら楽しい日々を過ごせるかもしれない。

黒尾「あ、週番？大変だよね手伝おっか？」

先生から頼まれて荷物を運ぶときも、

黒尾「ねえ俺取り残されたんだけど移動一緒に行ってもいい？」

私がロッカーで探し物をしていたために友達から置いていかれたときも、

黒尾「うっわ危ないでしょそれ！！」

カッターを落としかけたときも、

いつでも彼は優しかったし、私のことを気遣ってくれた。それはもう、勘違いしそうになるほどに。私が彼に惚れるのなんて、時間の問題だった。

黒尾「もう席替えじゃーん」
A「ちょっと寂しいね」

勇気を振り絞ってそう返すと、黒尾くんは驚いた顔をしたあと、得意げな顔をした。

黒尾「…寂しがんなくてもまた隣だから大丈夫」
A「え？くじ引きだよね」

また隣なら嬉しいけど、彼が得意げになる意味が分からなかった。

黒尾「もしかして気付いてないの？俺、前回も必死にくじ交換したんだけど」

end

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