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軽いリップ音とともに口が離れた時には、身体に力が入らない状態だった。
腕の拘束は既に解かれており、彼は苦しそうに顔を手で覆っている。
私は入りづらい力を懸命に入れ、震える手で彼の頬に手を添えた。
『りょ、…くん。ごめん、なさい』
「…もっと、めちゃくちゃにすれば、澪はもう俺に嘘をつけなくなる?」
〜っちと、愛称で呼ぶ事も忘れ、彼は悲痛な声でうわ言のように呟いた。
「また、隠されて間に合わなかったらって、考えただけで自分を殺したくなる」
『涼…くん』
「分かってるんすよ。俺が過剰なだけ。それでも澪が他の奴に触れられるくらいなら、俺が嫌われてでもって、」
頬に添えた私の手に擦り付けるように顔をのせる。こうした甘える仕草を見れば、大きな忠犬みたいで。
「でもやっぱり、俺、澪に嫌われたくない…!」
『うん、うん…』
徐々に身体に力が入り、私は彼の悲痛の声を聞きながら上半身を起こした。
顔を背けて顔を隠す彼を見て、私は出来るだけ腕を広げて彼を正面から包み込んだ。
体格差もあって全然包み込めてない。というか彼の首にしがみついてるような形になってしまったけれど、精一杯受け入れようとした。
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都月 もん(プロフ) - ありがとうございます!こういう作品が好きです!こちらこそよろしくお願いします! (2020年11月21日 7時) (レス) id: 04dac8455e (このIDを非表示/違反報告)
ぽるしぇ(プロフ) - 都月 もんさん» なるほど!ありがとうございます。申し訳ございません今すぐとはいきませんが、近々変更させていただきます。今後とも、是非よろしくお願いいたします。 (2020年11月21日 7時) (レス) id: c9709ff1e2 (このIDを非表示/違反報告)
都月 もん(プロフ) - ぽるしぇさん» 登場人物を設定するのところでできますよ! (2020年11月21日 7時) (レス) id: 04dac8455e (このIDを非表示/違反報告)
ぽるしぇ(プロフ) - 都月 もんさん» こんばんは。ご指摘ありがとうございます。お恥ずかしながら設定がいまいち理解出来ていなくて(--;) (2020年11月20日 22時) (レス) id: c9709ff1e2 (このIDを非表示/違反報告)
都月 もん(プロフ) - こんばんは,コメント失礼します!名前設定できるようにしないのですか? (2020年11月20日 21時) (レス) id: 04dac8455e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽるしぇ | 作成日時:2020年10月24日 0時