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そして、今。

Aは

メイクアップアーティストの専門学校に通っているのだ。

綺麗なものが好き。

綺麗を作るのが好き。

綺麗になったひとの、鏡を見た瞬間の、あの顔が好き。

物心ついたときからの夢だった。



今ようやくちゃんと
自分のしたいことに向き合っている。


でも長年の癖なのか。

どうもあんまり綺麗なひとを見ると、

穴があくほど見つめて怖がられてしまうという
恐怖心から

少し距離を取ってしまう。

勿論、察されない程度に。


目を合わせながら、どこか遠くを見る癖。
技、ともいえるかもしれない。



それが

キム•テヒョンにはこれっぽっちも通用しないのだ。


おそらく、Aが今まで見てきたすべでの人間の中で

最も綺麗だ

という危険信号が激しく点滅しているのに




自然に距離を取ってみたり、

目を合わせながらも合わせかったり、

そういった小細工が全く使えないのだ。


あんなに真っ直ぐ目と目を合わせられたら、無理だ。


また挙動不審な姿を晒すのもごめんだ。


そんな心の葛藤の中。


Aは、やっぱり、と思い

遠回り。

反対側の道を選んだ。


.

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作者名:ぽるこ | 作成日時:2018年9月11日 23時

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