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「泉、鏡花…?」


「そう…Aは如何思う?」


「ど、如何思うって、、云われても…」



Aはぐつぐつと沸騰する鍋の中を掻き混ぜながら、頸を傾げた。

太宰はAを横目に、包丁で野菜を切る。



「私が云ってもだけど、人を殺めてしまってからじゃ、もう後戻りなんて出来ないと思う。
例え誰かに命令されたからとしても」



Aは曇りの無い真っ新な瞳で会話を続ける。



「でも、殺めた人にも謝罪して、遺族にも謝罪して、そうすれば、、きっと、何時か、許してもらえる日が来るはずだと、私は思う…ます」


「ははっ、Aらしい意見だね」



ぎこちなく喋り終えたAは、少しばかり顔を歪めた。



「……私だったら厭だな」


「…?何が?」


「あー、誰かにずっと従って生きていくって、私だったら厭だなって…」




憐情を持ったAの顔は、太宰の心にちくりと刺さった。





_____「君は如何したいの?」

_____「たす、けて…ほ、しい」





突然脳内で再生された厭な思い出に驚いた太宰は、小さく頭を振った。

一方でAは、沸騰で飛び跳ねた液体が手の甲にかかり、大騒ぎ状態。



***

「うぅ…食べ難い(にくい)…」


「あーんしようか?」


「うわー急に手が動くー」



利き手に保冷剤をつけ、食べにくそうなAを茶化す太宰。

太宰は何時の間にか食べ終わっており、頬杖をついてAを見ていた。

其れに疑問を持ったAはジト目で



「な、何?…ジロジロ見て」

「んー?何時迄も守ってあげたいなーって思って!」

「……とうとう可笑しくなった…?」

「可笑しいとは何だー、非道いぞー!」



お父さんは何時も可笑しいか、とAが笑うと、太宰も釣られて笑い出す。








_____「“太宰さん”。ありが、とうっ」

_____「如何いたしまして───────────A」






ーーーーーーーーーーーー

暫く更新が出来ず、本当に済みませんでした…。
云い訳致しますと、テスト期間でした。

無事テスト期間終了という事で、ばんばん更新出来たらな、と思っています。(*´꒳`*)

by作者

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水瀬琥雪 - めっちゃ好きです…太宰さんの愛が感じられてやばいです…そんなキャラ弁嫌なのか……?私だったら嬉しいけどな…受験頑張ってください!! (2023年2月5日 8時) (レス) @page10 id: 28ac647065 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽんず。 | 作成日時:2022年4月27日 1時

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