7_特待生 ページ8
校歌斉唱が終わり、次は理事長挨拶。
壇上に上がってきたのは、綺麗なツノを2本生やした長身のお爺さん。長身だからといって圧があるわけではなく、優しそうな雰囲気の方が強い。
なんだかとても幸せオーラを放っている気がしないでもない。
「入間くーんおじいちゃんだよー!」
両手をブンブンと振りながら、開口一番、恐らく孫がこの場に居るのだろう、孫への声掛けから始まる。心なしか、なんだかミニキャラのように見えてきた。
動揺しているのは僕だけではないようで、会場中がざわざわしている。
それから孫語りが始まったり、大きく焼き増しされたポスターを見せたり、それを配布すると言ったり、と好き勝手にやっている。僕がお孫くんの立場だったら死にたくなっている所だろう。まだ顔と名前しか知らないお孫くんに心底同情する。
「言いたいこと言ったからおわり」と壇上を去る頃には、会場には困惑しか残っていなかった。
理事長挨拶ってこんなので大丈夫なの…?
入学した事を少々不安に思っていると、「では続きまして、新入生代表挨拶」と声が掛かり、前方の方で桃色の髪の人が立ちあがるのが見えた。
他の人達とは違う薄桃色の制服で、遠目でも気品が溢れているのを感じる。
堂々と壇上へと向かうその姿は、僕には絶対出来ないもので…
…カッコイイなぁ……。
……僕学校に来てから他の人へのカッコイイっていう感情しか持ってないじゃん。自分カッコイイって思いたい訳じゃないけど、もう少し自信を持ちたい…。
そんな事を考えながら首席くんを目で追っていると、壇上への階段の数メートル手前で、何故か首席くんに代わって、先程のお孫くん_入間という彼に代打の声が掛かった。
262人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モンモン - 更新楽しみにしとります! (5月21日 0時) (レス) @page39 id: 7fe6f6ee48 (このIDを非表示/違反報告)
☆?(?v?。)(プロフ) - 好きです!!主人公のキャラが立っていて凄く良いし、何より文章が上手くて面白いです!続きを楽しみに待っています!! (2023年1月31日 19時) (レス) @page38 id: 55f21e1ec6 (このIDを非表示/違反報告)
小柴紬 - 階段をくだっていく教室って…(あそこかぁぁぁぁぁぁぁ) (2022年11月7日 7時) (レス) @page35 id: 2e1df96980 (このIDを非表示/違反報告)
ほしぽん(プロフ) - ツムがおる (2022年10月17日 18時) (レス) @page31 id: 86c5fe95fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ