6_入学式 ページ7
会場に着けば3分の1程が埋まっていて、小声での話し声が響いてざわざわとしていた。席は自由のようなので、後列の長椅子の目立たないであろう端の席に座る。
緊張で早起きしたためか、誰と話すでもなくぼんやりと座っていたためか、眠気が襲って来る。確か式が始まるのは、6時6分…まだしばらく時間があるので、一眠りする事にした。
.
夢と現実の狭間で微睡んでいる時に、横に気配を感じて、現実に引き戻されるような感覚で眠気が薄れていった。
『ん…』
「あっ起こしちゃった感じ？ごめーん」
『……え、…やっいえっだい、じょうぶです』
にこにこと人懐っこい笑顔を浮かべた黒髪の人と目が合う。寝起きで咄嗟に自分に掛けられた声と認識出来ず、謎の間を作って返事をしてしまった。
あぁあぁぁ絶対変な奴って思われた無理話すの苦手過ぎるでしょどんだけ言葉詰まってるのこんなんじゃやっていけないようわぁ本当ダメダメ過ぎる
コンマ数秒で脳内に駆け巡る反省で、せっかく話しかけて(？)くれた黒髪さんと一瞬で目を合わす事をやめてしまう。
まだ入学式も終わっていないというのに、今後の交流関係がお先真っ暗な、頭を抱えたくなる自分のコミュ障っぷりに絶望する。
黒髪さんも不思議そうな顔をしながら、こちらを見ている。
なんとも言えない気まずい空気を消すかのように、会場に「起立」という声がマイク越しに響く。
生徒達が立ち上がる音が会場中で上がり、僕もなるべく静かに気配を消して立つ。黒髪さんも僕に対する興味が薄れたのか、前を向き立ち上がる。
「校歌斉唱ー」という声に合わせて、伴奏が始まる。
人間って美味しいのかな。歌詞の通り魂、血肉、丸ごと全て食べれてしまう程に。どんな味なのか、気にならない訳じゃないけど、空想の生物までも食べたくなるような底抜けの食欲は持ち合わせていない。
そんな事を考えながらぼんやりと歌っていれば、校歌はすぐに終わった。
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ﾓﾝﾓﾝ - 更新楽しみにしとります！ (5月21日 0時) (
レス) @page39 id: 7fe6f6ee48 (このIDを非表示/違反報告)
☆?(?ｖ?｡)(プロフ) - 好きです！！主人公のキャラが立っていて凄く良いし、何より文章が上手くて面白いです！続きを楽しみに待っています！！ (2023年1月31日 19時) (レス) @page38 id: 55f21e1ec6 (このIDを非表示/違反報告)
小柴紬 - 階段をくだっていく教室って…（あそこかぁぁぁぁぁぁぁ） (2022年11月7日 7時) (レス) @page35 id: 2e1df96980 (このIDを非表示/違反報告)
ほしぽん(プロフ) - ツムがおる (2022年10月17日 18時) (レス) @page31 id: 86c5fe95fa (このIDを非表示/違反報告)
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