【ハイキュー】誰かあいつを止めてくれ

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侑side









ユース合宿の連絡のために呼ばれた俺とは違って

何か別件でAは呼ばれとったらしい



聞いてみればAの家族から連絡があったみたいで

なんかあったんかな？とぼんやり考えて

横目でAを見てみると

顔が真っ青になっとった



『…え？あ、えと、何があったんでしょうか、誰、からの』



普段ではありえないたどたどしい話し方

握られた両手はよく見れば震えてて

何かに怯えてるようにしか見えなかった



「あっと、おばあ様やったぞ」

「確か城咲の方の…前うちに勤務しとった」



でも、「おばあ様」と「城咲の」という言葉を聞いた瞬間、安心したような顔つきになった。



『あ、薫子の…』

「そやそや！光峯(みつみね)先生！！」

『なんだぁ……』

「なんかなぁ急ぎの用事や言うて、はよぉ伝えないかん用件みたいでなぁ」

『分かりました。こちらから折り返ししておきます』

「おん。こっちもまたかかって来たら伝えとくわ」



いつもの人当たり良いのきれーな顔に戻って、監督との会話を終わらせた。



その後監督から少しずつ注意点を言われて、解散になった。



「A」

『ん？』

「お前家族怖いん？」



教室に帰る道すがら、気になったから聞いてみた。



『んー……どうなんだろ。みんながみんな怖いわけじゃないんだけどねぇ』

「ふーん誰が怖いん？」

『おじいちゃんかなぁ……結構怖い』



昔気質の厳しい人なんかなとぼんやり想像してみる。

いや分からんわ。こんな底抜けに明るいAがビビる相手とか。

北さんっぽい人なんかな。



「お前に怖いもんとかあったんやな」

『あるわ！！私をなんだと思ってんの』

「怖いもん知らずのアホ」

『部活の先輩が怖くて、テストで私の点数超えれないアホツムが何言ってんの』

「はぁあ！？？別に怖ないわ！！！」

『治、すなりん、銀ちゃんの3人からのタレコミだからね』

「あいつら吹っ飛ばしたる……」



勝手に俺の話すんなや！！！

こいつなら悪用しかねんやろ！！！

なんやねんあの3人



こうやってAとぐだぐだ話ながら教室に戻った。

あん時の怖がった顔が見えんくなって

その事に、なんでか俺が心底安心しとった。

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