【ハイキュー】誰かあいつを止めてくれ

14 ページ15

侑side



「よう来たな。逃げ帰るんかと思ったわ」



これは半分本心やった

あの城咲さんはちょっとイライラしとって口が悪うなっただけやと

信じたかった

でもそんな事はなく



『帰ったら帰ったで、またいちゃもん付けに来るでしょ？
　仕方なく付き合ってあげるんだよ？感謝しろ』



口の悪さも、煽りも昼間と全然変わってへんかった

ていうか、今まで昼休みに過ごしとった奴と別人やん



『ていうか、お前がセッターならどーやってスパイク打つの？』

「ほんまや」



クソ、盲点やった……

他にトスあげれるような奴おったか、？

と考えていると



『じゃあサーブでやろ』



は？



「え、アンダーハンドサービスするん？www」

『なめんな、さっさとあっちのコート行け』



なめとるに決まっとるやろ

そんなほっそい手足でちゃんとバレー出来るわけないやん



向かいのコートで精神統一をするアイツは

綺麗に見えた

ちょっっっっっとだけやけどな！！！！！



そしてボールを上にあげ、跳びあがった





いや、




飛んだ




羽が生えてるみたいやった



見惚れながらもレシーブをしようとした瞬間

ボールが曲がった


ハッとなった時には

目の前に落ちとった



「「「「はあああああ！！？？」」」」

『！？』



は、なん！？う、上手すぎやろ！！



「何でジャンプサーブ打てるの！？」

「めっちゃ曲がっとった！！」

「"一応"のレベルちゃうやろ！！！」



何者なん！？



『昔かじった』



かじっただけであないなん打てへんやろ！！



『ﾊｲﾊｲもー……親戚が白鳥沢のOBなの…』

「「「白鳥沢！！？？」」」

『パワーないから、テクニックでちょっと教えてもらっただけ』



説明終わりというように手を合わせ、こっちを見る



『どーだった？女子のしかもほぼほぼやらない奴のサーブも取れないとか
　今、どんな気分？？？』



コイツ、性格悪過ぎる…




せやけど



「…しつこく誘ったり、胸倉掴んだり、色々すまんかった」



謝っとった

まぁ元凶は俺やし、しゃーないんやけど

まさか俺がここまで素直に謝れるなんて、自分でもびっくりしとった



それよりもコイツに言いたい事が出来た

手の平返したって思われてもええから

俺はコイツに



「せやから…」

「「「「せやから…？」」」」









「俺のセットで打って！！！」



俺はコイツにトスを上げたいと思った

本気で

15→←13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す