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藤ヶ谷「 もっとこっち来て。」
両手を広げる太輔。
私はそのまま太輔の腕の中に入った。
藤ヶ谷「 どんな人だったの？」
「 …えっ？」
藤ヶ谷「 Aが好きだった人。」
「 言っていいの？」
藤ヶ谷「 …ん。」
「 やきもち妬かない？」
藤ヶ谷「 妬く。」
「 …何それ。」
藤ヶ谷「 妬くけど聞く。」
「 変なの。」
藤ヶ谷「 いーの。」
私は太輔に
宏君と約束をしたことも全部話した。
…でも
相手が宏君とは言わなかった。
ううん。
言えない。
いくら太輔でもこの事は絶対言えない。
.
藤ヶ谷「 …そっか。」
「 …うん。」
藤ヶ谷「 なんかごめんな。」
「 えっ？…何が？」
藤ヶ谷「 嫌な事思いたせちゃって。」
「 ううん。
だって昔のことだよ？」
藤ヶ谷「 ………。」
「 …それに。
私には太輔がいるから。」
藤ヶ谷「 ………。」
「 太輔が傍に居てくれたから…
今凄く幸せなんだよ？」
藤ヶ谷「 ………。」
「 …あ。ごめん。
変な事言っちゃった。今の忘れて。」
藤ヶ谷「 変な事じゃねーし。
…てか、すっげー嬉しかった。」
照れながら太輔は小さく呟いた。
それを見て私は笑っていた。
すると
不意に肩を掴まれ
藤ヶ谷「 続きしよ。」
「 続き？」
藤ヶ谷「 そう。」
そう言って
ソファーに押し倒した。
やる気スイッチはまだONだったらしく…
今夜も
太輔によって
甘い甘い夜になった。
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作者名：Ponyo | 作成日時：2015年4月16日 21時
