善行が照らす闇の道《弐》 ページ7
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「ひとを、ころして……おれは、なにも………、こんな、の、おか、し、」
しかし あまりに脆弱な震え声でも、その意図ははっきりと太宰に伝わったようだった。
『人殺しをしても、何も感じられないのはおかしい』
「そうだね。足立君は正しい。それが普通だ……ここがマフィアでなければ。よく覚えておくんだ。正しさとは武器だ。それは傷つけることはできても、護り救済することはできない」
包帯だらけの手で、掻き切った首から血が溢れるのを止めながら、太宰は言った。
「馬鹿で、愚鈍で、どうしようもない奴だね。その罪悪感という名の正しさが、今、現に、 一之を傷つけているじゃあないか。どうして、そんなものを抱え込むのさ」
「けれど、 ちゅうやさんは、 おかしい、って、」
と、血まみれになった弟子は、師匠の教えに殉じてこたえた。
「ひとごろしに、 なにもおもえないのは、 おかしい」
その時俺は、確信した。
「(ああ、そうか。こいつ、
俺が余計なことを言わなければ。自分の歪みに一生気が付かず、黒社会を生きていくことができた。
足立に根付いた『慢性孤独病』の原因は、俺だった。
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アバンギャルド・マボ(プロフ) - 更生したかに思えた先の人生でも不幸は続いて。最終的に彼は。…………という暗喩です笑笑笑笑笑笑 足立が人を初めて切った例の事件では15歳だったので、この凄惨な小説と映画を思い出さずにはいられませんでした。 (どちらかというと映画版を思い出しております。) (2019年9月9日 21時) (レス) id: 6a86a136d3 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 姫歌さん!その通りです笑笑 キューブリックによって映像化もされた、あのやべえ小説の題名をお借りしています。時計仕掛けのオレンジの主人公は、15歳の少年でしたよね。彼は非行に走って、暴力の一切を怯え嫌うようになるほどのトラウマを刑務所で植え付けられ、 (2019年9月9日 21時) (レス) id: 6a86a136d3 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - コメント失礼します。時計仕掛けのオレンジとはアントニイ・バージェス著の時計仕掛けのオレンジでしょうか? (2019年9月9日 16時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 南雲藍琉さん» コメントありがとうございます!! 忙しい中読んでくださって本当に有難う御座います…色々重く受け止めないでくださいお願いします(真顔 続きができました!長い話になっちゃいましたが、のんびりとお付き合いください笑笑 (2018年7月8日 15時) (レス) id: ea18c173c6 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - ここ最近は2週連続検定やらテストやらで時間が取れず、読み込むことが出来ないためコメントは控えていたのですが、そのために作者様に誤解を生む結果になっていたのなら申し訳ありません。足立くんの話は更新される度読んでいますし、これからも楽しみに待ってます。 (2018年7月7日 14時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アバンギャルド・マボ | 作成日時:2018年3月11日 18時