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襲撃 2 ページ36




逃げた先は小さな部屋だった。


勢いよく閉めた鉄製のドアの表面を、遅れた銃弾が叩きつけた。廊下の奥の方から、広がっていった煙が渦巻いて、隙間から入る光を遮っていた。


ここはどこだろう。段ボールが山積みになっている。――備品倉庫だろうか。


部屋の高いところに、人ひとりがどうにか通れそうな窓があり、そこから入る陽の光だけが灯火だ。入って来たドアの他に道はない。行き止まりだ。


すぐに特務課本部への連絡をしようとしたけれど、外から敵が妨害電波(ジャミング)を放ったのだろうか、携帯の電波が入らない。


「辻村君、先ほどの電話は一体誰からだ」

「飛鳥井捜査官です」

「なに?」

「私に、身の安全を確保するように伝えながら走っていました。向こうからも、銃撃の音が絶え間なく聞こえていたんです。おそらく、私たちの身に危険が及ぶ情報をつかみ、報告をしてくれようとしたんだと思います」


もう一度、携帯を耳に当ててみる。当然、携帯からは何も聞こえない。無音だ。今と同じ状況に、飛鳥井捜査官はおかれている。声からして、負傷していたのは明らかだ。助けが必要なはずだ。

唯一の窓からどうにか脱出して、彼を助けなければ。そうして身を乗り出した私を、先生が手で制した。


「やめておけ」


綾辻先生が いつもよりも細い声で言った。


「外も包囲されている」

「ですが!」

(飛鳥井君)には構うな。この程度の修羅場なら、君以上に場数をこなしているはずだ。今考えるべきは、自分達のことだろう。それに、」


あまり大声を出すな。


そう言って先生が指差した先を見ると、足立さんが真剣な表情で、鉄のドアに耳を当てていた。


目があうと、唇の前に人差し指を立て、唇が静かに、と動く。どうやら 聴覚で外の様子を伺っているようだった。


彼にしたがって耳をそば立てると、扉の外から、ほんの僅かだが人の足音が聞こえる。一人や二人ではない。重くて硬い靴が、砂利を踏んでこちらへ近づいてきている。


「参りましたね。良く知っているゴロツキが相手なら、いくらでも手の打ちようがありましたが。奴ら、同業者じゃねえらしい」

「同業者ではない?」


足立さんの同業者。つまり、非合法組織やマフィアではないということ?


「えぇ。小銃の音がだいぶ軽い。銃弾の比重が規律通りに守られている証拠です。一般的な規格の銃では、分厚い装甲の防護服に弾が通らないってんで、ウチらは比重を弄った特殊弾を使うんでさ」

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設定タグ:文スト , 異能特務課 , 綾辻行人   
作品ジャンル:ミステリー
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やっさん(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» あわわわわ!?ヤバすぎて寒気が汗汗。もしかしなくても、まだまだ、本番は、これから!?!?!?(; _ ;)/~~ (2020年2月18日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 残りかす@ペンタブ欲しいさん» なんというジェバンニ…!!!夜遅くまでの作業、本当にありがとうございました!!有難く使わせていただきます!! (2016年10月13日 0時) (レス) id: e140a804ec (このIDを非表示/違反報告)
残りかす@ペンタブ欲しい(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» 表紙書き上がりました!こ、こんなのでよかったのか…(;´д`)なんか色々間違ってる感ありますが許してやって下さい(涙)http://uranai.nosv.org/uploader/common/f/e/9/fe961a3e200d42dcdbd9070d0de24aff.jpg  (2016年10月13日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 残りかす@ペンタブ欲しいさん» ありがとうございます!!ボードの方に大雑把なことを書かせて頂きました!(こちらではネタバレになる事が多いので… ) 出来たらで良いので、よろしくお願いします! (2016年10月12日 19時) (レス) id: e140a804ec (このIDを非表示/違反報告)
残りかす@ペンタブ欲しい(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» か、神棚…( ; ゜Д゜)そんな大層な物じゃないです汗そして表紙かかせて頂けるんですか!?ありがとうございます(。´Д⊂)リクエスト全然大丈夫ですよ!(私の画力で出来るかは分かりませんが(冷や汗)) (2016年10月12日 19時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アバンギャルド・マボ | 作成日時:2016年9月20日 22時

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