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恋文(三) ページ33
『拝啓
花の便りが次々と舞い込むこのごろ、いかがお過ごしでしょうか。
私は変わりなく元気です。何度かそちらに行こうと試みたのですが、だめでした。生憎、しばらくは行けなさそうです。
でも、それもいいと思い始めました。私にはまだこちらでやらなければならないことがあるようです。それが一通り片付いたら、今度こそあなたに会いにいきます。いつになるかはわかりませんが、気長に待っていてください
2313.3.28 風森ヒナギク』
活字の統一語のほうが意味が分かるはずなのに、手書きの字と比べて何かが足りないように感じられた。
二人が読み終えたのを見計らって、史は続けた。
「これは、その資料の一つ。ロスティスラーフ君は手紙のプロフェッショナルなんだろう？ 君は、この手紙をどう見る？」
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