21章 忍び寄る気配 ページ22
君の力を貸してくれ。
某日。出勤早々、真剣な顔付きでダンデさんから言われた台詞である。冤罪でも吹っかけられたんですかと聞き返せば、彼はゆっくり首を横に振った
「とりあえずこれを見て欲しい」
そう言って自身のスマホロトムを起動させとあるアプリを開いた。今どき流行りのポケスタとかいうやつ。仕事上私もスマホは所持しているが、ぽけすたやらぽけったーやら訳の分からんアプリは入れてない。大正生まれはそういうのに疎いのだ。
アイコンから察するに、これはキバナさんのアカウントであろう。詳しい仕様は謎のままだが、彼のヌメルゴンと戯れている動画が上げれらていた。特にこれといっておかしくはない。ごく普通のトレーナーとポケモンである。
『…これが何か？』
「いやいや、問題は返信の方なんだ」
ここだ、と指された箇所を見てみればキバナさんの投稿への返信がずらり。流石人気者は違うなぁと感心しながらスクロールしていくと……何となく意図を掴めた。さっきから同じアイコンの人が何度も…いやこれ、半分くらいこの人が返信してないか？？
あまりに異常な粘着ぶりに顔を顰めた。確かにこれは怖い。
「これが1度や2度ではないんだ。これ以上は他のファンとのトラブルにもなりうるし、対応に追われキバナも疲れてるようで…
秘書の君を巻き込んでしまって申し訳ない。
だがお願いだ、知恵を貸してくれ」
『ふむ……分かりました。出来る限りを尽くしましょう』
最近ダンデさんの気が沈んでいるように見えたのはそういうことか。他人にも気遣える優しい人なんだと改めて認識を得たところで、張本人のキバナさんの元へと2人で赴いた。
・
丁度これから打ち合わせの予定もあったし、仕事も兼ねてナックルスタジアムへ向かえばいつも通り笑顔で出迎えるキバナさんの姿が
「ようダンデ、今日は秘書も一緒か？」
うーむなるほど疲れているな。パッと見ただけでは分からないが、うっすらと残る隈に若干声も弱々しく感じた。仕事関係の話はある程度纏まったところで早めに終わらせ、いよいよ本題に切り出す
「キバナ、あのアカウントはアンチか何かか？」
「あぁ…鬼リプしてくるやつだろ？心配ねぇよ。ちょっと対応に困ってるだけだ」
「キバナ」
うっすらと威圧的なオーラが見える。顔の表情は後ろからでは読み取れないが、先程より空気が重々しくなった。その圧に気圧されたのか、降参の意を示すように両手を上げため息をついた。
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ノルン(プロフ) - めっちゃ続きが気になる… (2022年10月22日 22時) (
レス) @page32 id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年4月17日 18時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 夢主ルカリオ連れてそう…(いろいろ手伝ってくれそうだしカッコいいし…) (2020年6月25日 10時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコ＆ピーナッツ
| 作成日時：2020年6月16日 15時
