うーん‥【ハスミ】 ページ16
「ハスミちゃんってば！！」
「わっ」
後ろから肩をがしっと掴まれて、思わず後ろによろける。
「どうしたんですか？そんなに急いで離れないとまずかったんです？」
シズちゃんが不安そうな、それでいて咎めるような目で問うてくる。
「‥入学式、途中で入ってきた先輩いたでしょ。あの人だよ」
「え、そうだったんですか？」
「うん。別に嫌いなんじゃないよ、先輩さんのこと」
だけどさ、なんか臭うんだよ。
何事もなく健やかに生きていたいのがあたしだ。
小さい頃からずっと面倒ごとに巻き込まれながら生きてきたんだ。
あの先輩さん、ベース弾きながら歌ってたんだし、それも高いところで。
だから、別に聞こえてやしないって。
「あたしみたいなつまんないやつの為に傷ついたりしないでしょ」
「‥ハスミちゃん、どうしたんですか？いつもはそんなこと言わないでしょう」
「うーん‥面倒ごとの予感がしたの。メアリもなんか怖がってたし」
「そうなんですか？でも、面倒って、どうして？」
「あたしの兄が超絶面倒くさいの。学園でくらい平穏に過ごしたいよ」
シズちゃんの表情が少し緩む。
「お兄さんが面倒くさいっていうのは、同情します。僕にも兄が一人いるので‥」
「あ、分かる？」
でもまあ、確かに聞こえてたらまずいなーとは思ったけどさ。嫌な事言ってる自覚はあったし。
うーん‥もし聞こえてたら今度すれ違ったときとか何かしらリアクションするだろうし、そしたら聞こえてたか聞いて謝ろ‥目の敵にされたら嫌だし。
っていうのもあるけど、流石にあたしの中の良心の残りカスが痛む。
「それがいいですよ。それに、ハスミちゃんはいつもトラブルに巻き込まれてますけど、お相手さんと仲良くなってます！」
「普通に会話してるだけだけどね」
仲良くとまでいかないし。
「それに、ハスミちゃんって怠惰の具現化みたいなものですし、何かあっても天井の角見つめながら意識漂わせておけば何とかなりますよ、いつもみたいに！」
「え、あたしそんな風に思われてるの？凄い辛辣‥というか天井の角見つめて意識漂わせるって何？」
ぼーっとしてる間に周りから笑われてそう。
人嫌いなあたしだからあんまり気にしないけど。
「ハスミちゃんは世紀末でも生きていけますよ」
「そこまでは生きたくないかなー？それに、あたしが生きてる間に世紀末になるって、最大の面倒ごとじゃん」
「あはは、冗談ですよ」
まったく、シズちゃんってばあたしの扱いにすっかり慣れたな？
珍しく自然と笑みを零しながら、シズちゃんとしょうもない会話を続けていた。
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褪紅(プロフ) - 更新しました！ (2021年12月7日 22時) (
レス) id: dacdd01a78 (このIDを非表示/違反報告)
褪紅(プロフ) - お久しぶりです、ハスミとキユイとノウメ、三キャラの親の春雨、もとい褪紅です。更新させていただきます。 (2021年12月7日 20時) (レス) id: dacdd01a78 (このIDを非表示/違反報告)
蝶理(プロフ) - 更新しました (2020年12月26日 9時) (レス) id: 285c3fb40d (このIDを非表示/違反報告)
蝶理(プロフ) - 更新しますね！ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 285c3fb40d (このIDを非表示/違反報告)
蝶理(プロフ) - 忙しくてリレー小説に参加出来ませんでしたが、余裕が出てきたので参加させてせて頂くことになりました。レイの親の蝶理です。よろしくお願いします！ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 285c3fb40d (このIDを非表示/違反報告)
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