心配事【キユイ】 ページ38
「キユイ・ノン・ターン‥‥もう知ってると思うけど、生徒会の一員なの。だから‥何か問題を起こしたときは、覚悟しておいてよね」
淡々とそう言い、『よろしく』とは言わずに一礼だけして席に座り直す。
本当だったらこんな挨拶の仕方、駄目なんだって分かってるけど、仮にも生徒会員なんだから一応釘は刺しておかなくちゃ。
最も、もう問題の起きた後なんだけれど。
アミの奴‥今に見ていなさいよ！
頭の傍でそんなことを考えてイライラしつつも、他のクラスメイトの自己紹介を聞いていると、案外あっという間にホームルームの時間が終わって休憩時間になった。
担任のライズ先生がチャイムの音を聞き、口を開く。
「丁度鐘も鳴ったから休憩時間とする。」
その言葉を聞いてクラスメイトたちが立ち上がる。
私も席を立ち、ライズ先生に小走りで駆け寄った。
「あの‥」
「ん？どうかしたか？」
私が声を掛けると、先生はすぐにこちらを向いてくれた。
「あ、はい。その‥入学式前のバトル騒動のことなのですが‥」
ちゃんと言っておかなくちゃ。
「ああ‥そういえばそんなことがあったな。それがどうした？」
「その件なのですが‥なんと言いますか」
『私たち生徒会はまったく関与してないし、勝手に新入生たちが始めたことだから生徒会は過度に巻き込まないでほしい』
あらかじめ、保険を立てておきたかった。
そりゃあ、責任を取るならアミの方でしょうけど、あの子は仮にも新入生。
生徒会がきちんと対処しなかったからあんな大きなバトルが起きたとか、そもそも少しでもパトロールしてろとか、そういったことは言われかねない。
だから言われる前に先手を打っておきたかったんだけど‥うまく言い切れない。
「そ、その‥生徒会は、悪くなくて‥そりゃ、あれだけ事が大きくなる前に注意できてたらよかったんだろうけど、でも‥」
ああ、やってしまった。何を言っているの？私は。
聞いてもないのにいきなり何を言い出すんだと、きっとライズ先生も思っているはずだ。
恐くて先生の顔が見られない。
「‥キユイ‥だったな。安心しろ、少なくとも私はわかっている」
「‥へっ？」
「大丈夫だ。心配するな。だれも理不尽に怒ったりはしないだろう。バトルをしていた生徒達にも、なんらかの事情があったはずだしな」
ライズ先生は私を落ち着けるようにそう言うと、もう一度「だから安心しろ」と微笑を浮かべた。
私は微かに頷く。他の先生次第だけど、ライズ先生はこう言ってるし‥きっと、大丈夫だよね？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒメアミ(プロフ) - 宣言通り長時間滞在、本当にすみません！入学式編完結しました！次は体育祭編の予定です！そして続編の始めで主催者から皆さんにお伝えしたいことがあります。すぐに続編作りますので、しばらくお待ちください！パスワードは変わりません！ (2020年8月6日 17時) (
レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 更新します！…途中で色々あるかもなので、長時間居座るかもしれません…本当に申し訳ないです…m(_ _)m (2020年8月6日 13時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - 更新しました！ (2020年8月6日 12時) (レス) id: 35622e45c8 (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - 更新します！ (2020年8月6日 12時) (レス) id: 35622e45c8 (このIDを非表示/違反報告)
紅月@aile(プロフ) - 更新しました！次の方お願いします！ (2020年8月6日 8時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
