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家に着いて、2人でソファに腰かける。

俺は躊躇わずに聞いた。早く大我の不安を取り除きたかったから。


『……大我』

「なに?」

『なんか、元気ない?』

「……いや、…………うん…でも、北斗のせいじゃないの、俺が勝手に…」


そこまで言うと唇を少し尖らせて、拗ねたような表情をした。


『やっぱり、昼のことだよな』


京本が暫く黙ったあと、控えめに頷いた。

男同士の恋愛にも理解が深まっているけれど、まだ公言はしづらい世の中。

俺たちも例外ではなく、その他の人からはただの友達同士と思われていて、昼のように女子からデートの誘いを受けることもあった。

でも、と京本が口を開く。


「……北斗のファンが増えるのはいいことだし、俺も嬉しいの。
ただ、……北斗かっこいいし、優しいし…
恋愛対象として見られること多いよな、って思ったらね、……ちょっとだけ…やいた」

『…………っ、待って、かわいすぎ』


大我を強く抱きしめる。苦しいよ、と言う大我の声は、それでも少し嬉しそうだった。


『…大我以外見てないよ』

「うん」

『これからもああいう事あるかもしれないけど、ちゃんと断るから安心して』

「ふふ、…北斗、一途だよね」

『………重い?』

「んーん、だから好き。……ごめん、北斗が一途だって分かってるのに、勝手に妬いて心配させちゃった…」

『……正直嬉しかったけどな』

「えへへ、そっかぁ」


嬉しそうな、安心しきった大我の声。少し舌足らずになってきたら、大我が眠くなってきた合図。


『……大我、眠いでしょ』

「ん……北斗にハグされると眠くなるの」

『ふ、俺のせいか。……このまま寝ちゃおっか、疲れてるでしょ。お風呂は朝入ろ。あ、パジャマには着替えよう』

「うん……ほくとも、疲れてるでしょ」

『今、大我に最高に癒されてるからだーいじょうぶ』


そう言うと大我は、照れながらにこ、と笑って、寝ぼけ眼をこすりながら、俺が箪笥から出した大我用のパジャマに着替え始めた。


「ほくとの抱き枕になってあげる」

『ん、ありがと』


正直俺のビッグサイズのパジャマを着た大我にそんなことを言われると、可愛すぎて手が出そうになるけれど、2人でゆっくり寝るのも、最高の夜なんだ。


大我を抱き枕にして、目を閉じる。


『おやすみ大我』

「うん、おやすみ、ほくと」


大我の寝息がすぐに聞こえてきて、俺も深い眠りについた。


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作者より→←*



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作者名:ぽあ | 作成日時:2020年4月21日 7時

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