C eighty-four ページ45
ひとらんらんとトントンは駆け足で上へと昇った。崩壊が進んでおり、既にあちこちに瓦礫が山積みになっている。
｢シッマ、シャオロン、それからショッピ君連れて出るぞ！｣
｢そうだね！｣
頷いたひとらんらんの背後にふと目をやったトントンは、落ちてくる瓦礫に気付いた。
｢ひとらんｯ！！！｣
｢ぅわｯ！！？｣
突き飛ばされたひとらんらんが目にしたのは、足を挟まれ顔を歪めるトントン。
｢トントンｯ！！｣
ひとらんらんはすぐさま駆け寄り、その瓦礫を切り砕いた。
｢油断してんちゃうぞ…！くっ、そんなん俺もか…！｣
トントンが脚を押さえる。右太腿に鋭い瓦礫が突き刺さったトントンは歩けない。ひとらんらんは後悔と焦燥感を感じながら、ふっと息を吐いた。
｢…焦ったらダメだ。俺がトンち担いでくから！｣
右足を赤く染めたトントンを背負い、ひとらんらんは進むスピードを更に上げた。コネシマ達が戦っていた階に着くと、ちょうど3人と合流する。
｢ひとらん！無事やったか！！｣
｢挨拶はあと！…兵士は！？｣
｢コネシマさんが先に全て避難させました。｣
｢爆発直前に、火薬の匂いが濃くなったからな。｣
｢流石。ナイス。｣
しかし、ひとらんらんが目をやると、シャオロンは脚が焼けただれており、気絶しているようだ。ショッピもボロボロである。
｢早く脱出しなきゃ…！ルートはあるけど、2人…。｣
｢う…俺は、動けるんで…。シャオロンさんを、コネシマさん頼んで…。｣
ショッピはそう言うものの、動けそうには見えない。ここはまだ地下2階。ここから登っていくのには相当の体力が必要になる上に、爆発から逃れるためにはスピードが命だ。どうしたものかとトントンが頭を悩ませていると、コネシマの姿が変化する。これまで人と獣の姿の交じったコネシマだったが…。
｢え…コネシマさん…。｣
｢ショッピ、俺の上にシャオロン乗せてお前もしがみつけ。シャオロン抱きかかえとけよ。｣
コネシマは完全なる四足獣の姿で唸るように言った。迷っている暇はない。ショッピはシャオロンを抱えてコネシマの背に跨り、その長い毛にしがみついた。
｢飛ばすでひとらん！！｣
｢行くよ！！！｣
ひとらんらんとコネシマは、互いに人を背負っているとは思えないほどのスピードで駆け上がった。実際には2人とも長時間の戦闘を強いられ、疲労と怪我による体力の消耗も凄まじかったが、体に鞭打って何とか施設を脱した。息をついて振り向いたその瞬間、施設は崩壊した。
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壱(プロフ) - 初コメです この作品ずっと見てます！！大好きです！ 神作品ありがとうございます！ (2022年1月14日 10時) (
レス) id: 135ae75002 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» 読んでくださってありがとうございます！お客様が神様の精神でやっております^ ^いずれにしても、嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2019年10月23日 20時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 最近読んだんですけど神ですかね？神ですよね！本当に好きです！ (2019年10月23日 19時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» おぅっ！？鈴蓮さんありがとうございます！まさか読まれているとは…くそ長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます！ (2019年10月16日 12時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∇｀*) (2019年10月16日 12時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年7月27日 20時
