C sixty-eight ページ29
街中の全ての爆発物を無力化した事をロボロからの伝令で確認しながら、前線の幹部は全てのスライブ国民を逃がし、ペースを速めて研究所に進んでいた。
｢…見えてきたな…。あれか。｣
｢確かに攻めやすそうやな。軍もそう居らん…けど…。｣
｢もしかしたらあいつらも爆弾持ってるんですかね…？｣
ぴくとが不安げに言うと、頭の中に少し得意げなロボロの声が響いた。
《大丈夫、もう無力化の手口は分かっとる。お前らが突撃する時に一斉に無力化したれば、あいつらも対応できひんやろ？》
｢流石やなぁ、ロボロ！｣
コネシマはあっけらかんと言ったかと思えば、その目をぎらりと光らせた。
｢ほんなら心置き無く、ぶちかませるっちゅう事やな？｣
幹部らの空気が変わる。それに感化され、後ろにつく兵士らも、戦闘への意欲が高まっていく。
｢お前ら、準備ええな？｣
コネシマとショッピが振り向いて言う。シャオロンも続く。
｢勝てとは言わへん。先ずは自分の生存を考えろ。｣
最後にゾムが、ニヤリと笑った。
｢戦い楽しむんは、その後やからな？
全員、生きて我らが国に帰るぞ。｣
潜んだ鬨の声は、スライブ国兵士には聞こえない。
｢…お、やっと前線の部隊が研究所前に到着したようやね。｣
ロボロからの報告を受け、鬱先生は国境沿いの塔に並ぶ部下に司令を出した。
｢俺らは初撃を決めなあかん。俺がカモフラージュして、お前らの位置なんて特定させへんから、相手からのカウンターとかは気にせえへんで。安心して
ぶち抜いてこな。｣
ニヤァッと妖艶に笑った鬱先生は、自らもスコープを覗き込み、間抜けにも周囲だけを見回すスライブ国兵士の眉間にピタリと標準を当てた。
《ロボロ、狙撃部隊準備完了。》
《了解。》
暫く応答が途絶える。そして、思いもよらず、聞き慣れたバリトンボイスが響いた。
《攻撃、開始！》
ゾクゾクッと背筋に興奮が走る。
(あぁ、俺もやっぱ、狂ってんねんな、ちゃんと。)
その事実に、場違いながら安堵と更なる興奮を覚えながら、鬱先生は普段聞かせない威厳を含んだ声を上げた。
｢狙撃用意ー、
放てｯ！！｣
サイレンサーで消された銃声は、遠くの兵士から溢れた血飛沫に彩られ、それは戦争を始める狼煙となった。
｢わざわざ御苦労だな、ロボロ。｣
｢そら、戦争の合図やねんぞ。総統の声聞かな、気ぃ入らん、やろ。｣
慣れぬ操作をこなしたロボロに、グルッペンはニヤッと笑う。
｢さぁ諸君、戦争をしよう。｣
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壱(プロフ) - 初コメです この作品ずっと見てます！！大好きです！ 神作品ありがとうございます！ (2022年1月14日 10時) (
レス) id: 135ae75002 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» 読んでくださってありがとうございます！お客様が神様の精神でやっております^ ^いずれにしても、嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2019年10月23日 20時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 最近読んだんですけど神ですかね？神ですよね！本当に好きです！ (2019年10月23日 19時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» おぅっ！？鈴蓮さんありがとうございます！まさか読まれているとは…くそ長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます！ (2019年10月16日 12時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∇｀*) (2019年10月16日 12時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年7月27日 20時
