C sixty-seven ページ28
不気味な程静かな街を、特攻部隊らが進んでいく。
｢ロボロの話やと爆発物が既に発見されとるらしい。解除は進めてるっぽいが、気を抜かん方がええで。｣
｢うわ、爆発物を街中に置くとか…。非道なあいつららしいですね。｣
ゾムの話にぴくとが顔を顰める。前を行くコネシマが辺りを警戒しながら呟いた。
｢それにしても、ほんまに侵入してからは簡単やな。その爆弾に当たらなええんやろ？｣
｢ゾムの話聞いてたか？油断したらあかんって言うとったやろ。｣
シャオロンがそう言った時、前方で大勢の足音がして、軍は足を止めた。そうして家の影から出てきた集団を見て、更に目を開く。
｢…成程な。国民すらも兵器の材料ってか。｣
武器を構え、震える足で軍の前に立ちはだかるのは、痩せこけた女、子供だった。コネシマは冷めた表情で言う。
｢兵器、ね。こんなん武力にもならんやろ。｣
｢いや、でも気を付けてください。きっとこの人達…。｣
ぴくとが住民の首元を指さす。そこには、首輪のような物体が巻かれ、心做しか赤い光が点滅している。
｢あいつら…！｣
シャオロンがギリッと歯を噛み締め、咄嗟にロボロに連絡を図る。
《ロボロ！今の状況見えとるか！？》
《…見えとる！そいつらの首のって…》
《解除出来ひんか！？》
《…やってみる！》
その傍らでは、ぴくとが何とか住民を止めようと説得している。
｢皆さん！僕らは皆さんへ危害を加えるつもりはありません！僕らはあの研究施設を潰すだけなんです！だから…！｣
｢分かってるわよｯ！！｣
細い体のどこから出るのか、1番前で粗雑な槍を構えていた女が金切り声を上げる。
｢でもね、こうでもしないと生きてけないの。食べ物すら無いこの国で、逃げることも出来ないこの地獄で、私達はこうでもしないと生きていけないのよ！｣
｢…。｣
黙り込んだぴくとの代わりに、コネシマがずいっと前に出る。
｢でもあんたら、その首についとるもん分かっとるやろ？｣
｢これは飾りで…近付けないために…。｣
｢何言うてん。あいつらがそんな生温いことする訳ないやん。元からお前らなんて捨て駒。敵を殺せるならお前らの命なんて知らんねん、あいつらは。｣
｢…ｯ！｣
涙目で震え、遂に飛びかかろうとした女の首元で、カチャリと軽い音がして、重そうな首輪がごとりと外れた。
《解除完了。》
頭上に降ってきた槍を、コネシマは片手で掴んだ。
｢命惜しけりゃ逃げ。俺らが使うた通路なら行ける。｣
女は槍を手離した。
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壱(プロフ) - 初コメです この作品ずっと見てます！！大好きです！ 神作品ありがとうございます！ (2022年1月14日 10時) (
レス) id: 135ae75002 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» 読んでくださってありがとうございます！お客様が神様の精神でやっております^ ^いずれにしても、嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2019年10月23日 20時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 最近読んだんですけど神ですかね？神ですよね！本当に好きです！ (2019年10月23日 19時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» おぅっ！？鈴蓮さんありがとうございます！まさか読まれているとは…くそ長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます！ (2019年10月16日 12時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∇｀*) (2019年10月16日 12時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年7月27日 20時
