C sixty-four ページ25
｢ロボロ、いけるん？｣
会議終了後、まだそわそわしていたロボロにゾムが話しかけた。ロボロはゾムを見上げる。
｢能力の使用やろ？でも、前に比べたら格段に操れるようになってんねんで。｣
｢…そう、ではあるかもしれんけどさ。｣
ゾムがどう言おうか言葉に迷っていると、ロボロは笑う。
｢分かるよ。前より出来るようになったって言うても、戦争本番やねんからしっかり出来なあかんってことやろ？｣
｢うん…不確定やときついと思う。｣
｢俺もそれはそうやと思う。情報の共有は重要な問題や。それがそんな出来るか分からんような曖昧さやったら、誰でも任せられんって思うやろな。｣
でもな、とロボロは言う。
｢クラレ先生に調べてもろて、この緊急時に、こうして幹部の皆やグルッペンに頼られてんねんで。これは俺がやるしかないやろ。まだ開戦まで何日かある。この国を監視する必要は無いから、この数日間で完璧に操れるようになるから。｣
ロボロは邪魔だとでも言うように、目の前に揺れる布を取った。
｢だから、俺の事信じといてほしい。｣
ロボロの能力が少しだけ働いて、ゾムはロボロの心の中が少しだけ見えた。
《皆が信じてくれる。だから俺は絶対出来る。》
ゾムは無意識に、その顔を笑わせた。
｢うん。信じとくから。サポートは任せたで。｣
｢任しといて。｣
ロボロはニッと笑うと｢ほな早速行ってくる！｣と廊下を駆けていった。ゾムがその後ろ姿を見送っていると、背後に気配と煙草の匂いを感じ、ゾムは少し顔を顰めた。
｢…あぁなんや、大先生か。臭いと思ったわ。｣
｢煙草の煙が、ってちゃんと言って。傷付くから。｣
並んで歩くと、即座に鬱先生は煙草の火を消した。そういう所に気が利くのは、やっぱたらしだからなんやろなぁ、などと思いながらゾムは喋る。
｢大先生、俺になんか用？｣
｢んー、まあね。少し話さへん？｣
大先生は少し妖艶に微笑んでから、ゾムの瞳を覗き込む。
｢ゾムさん、 能力もう操れるようになった？｣
｢…や、まだやけど。何なん？｣
ふふっと笑った鬱先生に、ゾムは少しだけ顔を顰めた。そんなゾムに鬱先生が誘う。
｢俺もまだやからさ、2人で特訓しいひん？｣
｢…成程ね。だって幹部戦の時の能力ガバガバやったもんなw｣
｢それは言わん約束ですやん？それに、俺やってただサボっとった訳ちゃうから。｣
｢そうなん？｣
｢舐めやがって…。｣
くくっと笑ったゾムは、いきなり駆け出した。
｢ほな、はよ行こか！｣
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壱(プロフ) - 初コメです この作品ずっと見てます！！大好きです！ 神作品ありがとうございます！ (2022年1月14日 10時) (
レス) id: 135ae75002 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» 読んでくださってありがとうございます！お客様が神様の精神でやっております^ ^いずれにしても、嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2019年10月23日 20時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 最近読んだんですけど神ですかね？神ですよね！本当に好きです！ (2019年10月23日 19時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» おぅっ！？鈴蓮さんありがとうございます！まさか読まれているとは…くそ長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます！ (2019年10月16日 12時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∇｀*) (2019年10月16日 12時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年7月27日 20時
