C fifty-eight ページ19
｢だーっ、疲れたー！｣
叫びながら、昼飯を食いにゾムが食堂に入ると、ひとらんらんがゾムに気付いて近付いてきた。
｢ゾムお疲れ様。見てたけど、指導上手いじゃん。｣
｢あれ出来てたか？相手が出来ひんとイライラしてくんねん。｣
｢確かに最後の方雑になってたなw｣
｢俺には無理やって…。｣
くたっとしながらもしっかり食料を確保したゾムの隣で、ひとらんらんが笑う。
｢んじゃ、戦いをある程度心得てる俺と、実戦する？後で。｣
｢マジ！？やりたい！！｣
｢兵士と訓練生の前でデモンストレーションしてみると良いかもね。｣
｢それやと本気の試合出来ひんやん。｣
｢でも、一応教育係を任された身なんだから、皆のためになる戦いしないと意味なくね？｣
｢目で追ってついて来いよ…。｣
｢幹部戦について来いは無茶だよw｣
えー、と顔を顰めたゾムは、｢あ、そうやん！｣と直ぐに顔を輝かせた。
｢ひとらん、シュミレーター行こ！｣
｢え、シュミレーター？あれじゃ指導になんないよ。｣
｢俺とひとらんで入って、他の奴ら観戦やったら何人でも見れるやろ？｣
｢まぁそうだけど…。でも本気の試合はどうせ…あ、そういうこと？｣
ひとらんらんが何かに勘づく。ゾムは頷いた。
｢せや。あれって観戦なら試合のデータが映像として残るやろ？それをスローで観ればええ。そしたら、本当の試合のスピード感も感じられるし、スローで細かい動きも分かるやん！｣
｢それだったら撮影するんじゃなくて最初っからスローで流れるようにしたら？時間省けるよ。｣
｢いや…いや、それはあれやん。リアルの速さも知ってもらわんと…。｣
｢時間稼ぎが露骨すぎるんじゃない？w｣
｢くふふふふw｣
なんやかんや言いながら食事を終え、ゾムとひとらんらんは訓練生らの元へ行った。ゾムが少し教官らしく口を開く。
｢後半は、俺とひとらんの試合を見てもらう。場所はシュミレーター室や。1回目はリアルタイムで、2回目は録画した奴をスロー再生して、どんな動きをしとるか観察して、それを覚えろ。んじゃついてきて。｣
訓練生達が密やかに歓声を上げる。
｢おい、幹部戦を生で見られるぞ！｣
｢しかもゾム隊長とひとらん隊長だとよ。｣
｢絶対白熱した試合になるぞ。｣
｢…俺がいつ隊長になってん。｣
その声を聞いていたゾムが不満げに呟くと、ひとらんらんが楽しそうに笑う。
｢戦い教えてくれてんだから、もう隊長扱いでしょ。専属の部隊がなくてもさ。｣
｢よー分からん。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
壱(プロフ) - 初コメです この作品ずっと見てます！！大好きです！ 神作品ありがとうございます！ (2022年1月14日 10時) (
レス) id: 135ae75002 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» 読んでくださってありがとうございます！お客様が神様の精神でやっております^ ^いずれにしても、嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2019年10月23日 20時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 最近読んだんですけど神ですかね？神ですよね！本当に好きです！ (2019年10月23日 19時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» おぅっ！？鈴蓮さんありがとうございます！まさか読まれているとは…くそ長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます！ (2019年10月16日 12時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∇｀*) (2019年10月16日 12時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年7月27日 20時
