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ーこれから先は、彼女にとって状況は不利になるばかりだ。
マグルでは無いが、そんな事は御構い無しに、取り締まりを受ける事になるだろう。
その時、自分は立場上彼女を救う事が出来ない。
一刻も早く元の世界へ帰して、平和に生きた方が良い。
スネイプは今までそう何度も繰り返し考えてきた。
しかし、彼女の笑顔が頭によぎると、途端に思考が停止してしまう。
そして今も、自分の腕の中の愛する存在が消えると思うと、身が削がれる思いがした。
スネイプが抱き締める力を少し強めてきた。
そして消え入りそうな声が聞こえた。
「…行かないでくれ…」
Aはハッとした。
彼の頬に、一筋の涙が伝っている事に気がついたからだ。
・
スネイプの私室にて。
ベッドの側の床には、純白のドレスが落ちている。
真っ白な靴も、ヘアアクセサリーも。
そしてその傍らには、黒いタキシードと靴が散乱していた。
『…セブルス…』
名前を呼ぶたびに、優しいキスを落とされる。
瞼に
額に
…唇に。
彼は愛おしそうにAの髪の毛を撫でながら、黙って見つめてきた。
しかし、Aはキュッと胸が苦しくなった。
先程の彼の涙が頭から離れなかった。
スネイプはAをベッドに寝かせた後、彼女の様子に気づいた。
目を閉じ微かに震えている。
「…どうした？」
そう問うと、Aは目を開けた。
黒い瞳が揺れた。
『…何だか、セブルスが…遠くへ行っちゃうような気がして…』
悲しいの、と両手で顔を覆う。
スネイプは少し溜め息をついた。
ーそれはこちらの台詞だ…
そしてその後、2人は何も話せなかった。
ただ、互いに求め愛し合った。
それが、互いの存在を確かめ合う術と言わんばかりに。
共に過ごす最後の夜になるとも知らずに。
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piyo(プロフ) - 絢姫さん» 絢姫様、コメントありがとうございます(^^)とっても嬉しいお言葉…！精進します。これからもよろしくお願いします！ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
絢姫 - とても面白いです！ 久々に時間を無視して読みました！これからも、応援します！ (2019年11月23日 16時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：piyo | 作成日時：2019年11月16日 22時
