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『そうだよ…。だって、こうやって貴方と話してるこの瞬間にも、私は消えるかもしれない。そのタイミングはわからないんだ。だから、楽しい思い出を作れば作る程…その後が辛くなると思って…』
「…それで、1人を選び、皆にも居場所を伝えずに、ひっそりと消えようと考えたのかい？」
Aは何も言えずに、俯いた。
リーマスは深く息を吐くと、Aの肩にポン、と手を置いた。
「…それでは君があまりにも辛いじゃないか…」
その言葉に、Aは涙をグッと堪えた。
「…シリウスはそれで承知したのかい？」
『…あの時はもう、半分強制的にお願いして、別れてもらったんだ。シリウスは、想像するよりはるかに大人だった。私の気持ちを汲み取ってくれたんだ…。本当に酷い事しちゃった…』
「…再び彼と元に戻る事は？」
『…多分一生無い』
「…そうか…」
リーマスはグラスをゆっくりと回した。
琥珀色の液体が揺らめく。
ーこれじゃ、僕も完全に望みが無いな…。
そう思った途端、急に傷が痛み出した。
リーマスは胸を押さえて、前屈みになった。
持っていたグラスが手から滑り落ち、床に落ちて割れた。
服を着て誤魔化していても、その下は包帯だらけであった。
『リーマス！？大丈夫！？』
焦るAを手で制し、呻くように呟いた。
「…ああ、ごめん…大丈夫…」
『やっぱりまだ重症だったんだ…！』
ー無理してたんだ、リーマス…！！
Aは急いで彼の腕を自分の肩に回した。
「A、安静にしてれば大丈夫だから…何を…」
『横にならないと。どのみち、宿泊の手続きは取ったし、もう休んだ方が良いよ！』
そう言って、Aは彼を半ば引き摺る様にベッドへ連れて行き、『よいしょ！リーマス、また背伸びた？』と言いながら、その身体を横に倒した。
リーマスは顔を歪めながら、Aを見上げた。
「…君は？…もう行くのかい？」
ーせっかく会えたのに。
もっと話したい事は沢山ある。
これで最後なんて、絶対に嫌だ…
Aの手をパシッと掴む。
『え…っ、リーマス？』
「…行かないで」
彼が我儘を言うのを、初めて見たかもしれない。
弱々しい様子が、不謹慎だが、何だか子犬の様に見えた。
Aは困った様に微笑みながら、彼の髪を撫でた。
『…わかった。朝まで一緒にいよう』
そう言えば、リーマスは目を細めて、とても嬉しそうに微笑んだ。
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piyo(プロフ) - 日ニコさん» 日ニコ様、コメントありがとうございます！うわあぁ、神だなんて…！！嬉しすぎます(>_<)これからも楽しんでいただけるよう頑張りますね。応援ありがとうございます！ (2021年6月22日 23時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
日ニコ(プロフ) - ハリーポッターの小説を探しに探してやっと見つけました！控え目に言って神小説です！これからも頑張ってください！応援してます！！ (2021年6月22日 19時) (レス) id: 813cbeef3d (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 白猫さん» 白猫様、コメントありがとうございます！う、嬉しい…(/ _ ; )作ってよかったです。。魔法が使えたら、あの世界に行けたら…と思うと、色々と妄想してしまいます笑 拙い作品ですが、今後ともよろしくお願いします(^^)！ (2021年4月9日 23時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。piyo様の描く魔法界の世界観がだいすきで心温まりつつ、ドキドキしつつ、読ませて頂いております。上手く言葉に表現出来ずもどかしいですが、本当にこの作品が大好きです！今後の展開も楽しみにしています^ ^ (2021年4月9日 22時) (レス) id: 82d1d6768d (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 魔法使い隊さん» 魔法使い隊様、コメントありがとうございます！更新遅くてホント申し訳ないです…(>_<)これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。よろしくお願いします(^^)！ (2021年3月30日 17時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：piyo | 作成日時：2021年3月21日 0時
