17 ページ17
・
式が終わった頃、校舎内を駆け回る美青年の姿があった。
その表情には、焦りの色が浮かんでいた。
彼が通り過ぎると、至る所で、女子生徒達の黄色い声が飛ぶ。
�爛�ャー！あれ、ブラック先輩じゃない！？��
�爐笋辰僂螢�ッコ良い！！！��
�爐◆爾鵝�卒業しないで欲しいわ！！��
�狢感伴阿禄�わったのに、何か忘れ物かしら？��
そんな数々の声を背中で受けながら、シリウスは走っていた。
グリフィンドールの談話室に着いた時、ちょうどリリーが寝室の階段を駆け降りて来たところだった。
彼女も同様に焦っている。
「…居たか！？リリー」
「居ないのよ、どこにも！！図書室もクィディッチの競技場も見たわ！」
「天文台の塔にもハグリットの小屋にも居なかった」
シリウスは額の汗を拭った。
リリーはワナワナと震えながら呟いた。
「…まさか…あの子…」
ー卒業したから、消えてしまった？
2人の脳裏には同じ言葉が浮かんだ。
「い、嫌よ…そんな…挨拶もまだ…」
リリーは頭を抱えた。
「……」
ーA…！
シリウスも悲痛な表情で、自分の髪をグシャッと掴んだ。
・
『…あれ？2人とも、どしたの？こんな所で』
呑気な声がして、リリーとシリウスはバッと振り向いた。
「「A…！！！」」
『え…！？は、ハイ』
Aは2人の勢いに、縮こまった。
リリーは走り出し、思い切りAに抱きついた。
「もう！！どこに行ってたのよ貴女！？ビックリするじゃない…！！」
『え！？ご、ごめん』
「俺達…お前がもう消えてしまったのかと思って…」
シリウスは深く溜め息をついて、その場に座り込んだ。
『えっ…！？わ、わーーホントごめん…』
そう言って、Aは頬を掻いた。
『…まだ大丈夫みたい』
ヘヘッと笑うAに、リリーもシリウスも、再び溜め息をついた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
piyo(プロフ) - 日ニコさん» 日ニコ様、コメントありがとうございます！うわあぁ、神だなんて…！！嬉しすぎます(>_<)これからも楽しんでいただけるよう頑張りますね。応援ありがとうございます！ (2021年6月22日 23時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
日ニコ(プロフ) - ハリーポッターの小説を探しに探してやっと見つけました！控え目に言って神小説です！これからも頑張ってください！応援してます！！ (2021年6月22日 19時) (レス) id: 813cbeef3d (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 白猫さん» 白猫様、コメントありがとうございます！う、嬉しい…(/ _ ; )作ってよかったです。。魔法が使えたら、あの世界に行けたら…と思うと、色々と妄想してしまいます笑 拙い作品ですが、今後ともよろしくお願いします(^^)！ (2021年4月9日 23時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - こんばんは、コメント失礼します。piyo様の描く魔法界の世界観がだいすきで心温まりつつ、ドキドキしつつ、読ませて頂いております。上手く言葉に表現出来ずもどかしいですが、本当にこの作品が大好きです！今後の展開も楽しみにしています^ ^ (2021年4月9日 22時) (レス) id: 82d1d6768d (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 魔法使い隊さん» 魔法使い隊様、コメントありがとうございます！更新遅くてホント申し訳ないです…(>_<)これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。よろしくお願いします(^^)！ (2021年3月30日 17時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：piyo | 作成日時：2021年3月21日 0時
