29 ページ29
・
「おーい、そこのお熱いカップル達。そろそろ出発しちゃうよ！」
振り向けば、開けた窓からジェームズが顔を出している。
同じコンパートメントには、リリーやリーマス、ピーターの姿が見え、皆揃ってこちらを向いていた。
仲間達は皆、先日行われた試験の結果を、実家で待つらしい。
(N.E.W.T.過程に進めなかったピーターを除いては。彼は単に帰省するだけのようだ)
シリウスは再びAの方へ振り向き、ほんの一瞬、唇同士が軽く触れるか触れないかのキスをした。
途端に列車内から女子生徒達の悲鳴が聞こえ、Aは焦った。
『あ、貴方ね…！』
「ハハハ！すまない、しばらく出来ないからと思ってさ。じゃぁ、またな！」
爽やかに笑いながら颯爽と列車へ乗り込むシリウス。
残されたAは顔を赤くしながら、呆然と突っ立っていた。
・
・
Aは1人、学校に戻って来た。
さすがに学年末の休暇なだけあって、構内は閑散としている。
ほとんどの生徒が帰省しているのだろう。
ーはぁ…夏休みが明けたら、もう最終学年か…
Aは溜め息をつきながら空を見上げた。
ゆっくりと日が落ちる季節になった。
夕暮れ時の空は、オレンジと薄い紫の色彩が混ざり合っている。
ふと、ホグワーツの1番高い塔が目に入る。
天文台の塔だ。
ーあそこに登るのも、あと何回だろう…
そう考えると、とてつもなく悲しい気持ちになってしまった。
Aは首を左右にブンブンと振ると、『よし、せっかくだし登るか！』と小さく気合を入れて、校舎の中へと入って行った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 573人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
心夜 - そうなんですね。これからも宜しくお願いしますo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 13時) (
レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
piyo(プロフ) - 心夜さん» 心夜様、コメントありがとうございます！自分で作っておいてなんですが、私もです…(^^; 前作の大人編を作る時に決めてしまったので…（汗 ルーピン先生とのバージョンも余裕あればいずれ作りたいな、と思っております。これからもよろしくお願いします(^^) (2021年1月10日 10時) (レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ルーピン先生押しのため少し残念ですが、楽しみに読ませて頂いてます。頑張ってくださいねo(*⌒―⌒*)o (2021年1月10日 7時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：piyo | 作成日時：2021年1月7日 1時
