初対面2 ページ32
「こっ、こんに、ちは....っ。はじめましてっ....。」
二人から挨拶を返され、顔を真っ赤にしながらもう一度頭を下げる。
そんな姿に思わず「ふふっ」と微笑んでしまう。
それを見た二人が少し驚いた顔をしたのがわかった。
若干それが気になりながらもテーブルに置かれた急須を手に取る。
「知念、取り敢えず座ろっか。...知念もお茶でいい？」
聞きながら急須を持って対面キッチンへ向かう。
「あっ、はい。...あっ、僕自分で....」
そこに一人残されるのが居た堪れなかったのか、単に自分で淹れようと思ったのかはわからないが、パタパタと慌てて俺の後を付いてくる。
「えー？知念が淹れたら酷いことになる。」
「ちっ...ちゃんと淹れられるもん。」
「ついこの前、お茶っ葉入れすぎて有り得ない苦ーいやつ淹れたの誰だっけー？」
「...っ！た、たまたま、だもん...っ！」
真っ赤になって反論する姿が可愛くて、クスクス笑いながら「いいから座ってな？」と椅子を指差す。
そんなやり取りをしてる間、ずっとぽかんとした顔をしている二人に「なに？どうかした？」と声を掛ければ「いや....何でもない。」と声を揃えて返された。
俺がお茶を淹れている間、高木が相変わらずのいい声で「知念くん可愛いね。いくつ？」なんて質問している。
質問された知念は、わかりやすく震えた声で「じ、じゅうななさい、です.....。」と幼児のように答える。
「えっ？！十七歳なの？！マジで？」
心底驚いている高木の態度と声の大きさに、肩をビクッと上げて「ごめんなさい....っ」となぜか謝る。
「高木、知念怖がらせないでよ。」
キッチンから出て、淹れたお茶を知念の前に置きながら態とらしく高木を睨む。
「あ、ごめんね？」
「だ、大丈夫です...っ。」
再びいい声で謝罪され、俯きながらふるふると首を横に振る。
「知念、究極に人見知りだから、悪く思わないであげて？」
そう言いながら彼の頭をふわりと撫でてフォローする。
それを見てまたもや驚いた顔をする二人。
「.....さっきからなに？」
「いや.....、伊野尾のそんな姿見るの珍しいから。」
薮は俺と知念を交互に見る。
そんな事を言われるとは思ってもみなかった俺は「ふぇ？」と変な声を出してしまった。
「...え？自覚なしかよ？」
「......。」
自覚なしと言われてもわからない。
....ああ、だから自覚なしなのか。
しばしの沈黙を破ったのは高木だ。
「ねぇ、伊野尾くん。...知念くんは....親戚か何か？」
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作者名：ちぃねずみ | 作成日時：2017年11月5日 23時
