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あ、やべえ。

私の頭の中に瞬時に浮かんだ言葉はそれだった。


熱が出て気持ちが不安定になり始めた頃、そろそろ誰かにSOSを出して助けてもらわないと本気でやばいと思い始めたため、まずは秀一くんに電話をかけた。

秀一くんは私のSOSに答えてくれるらしく、今から行くと言って一方的に電話を切った。一方的に。一方的に。一方的に電話を切った。

いや、別に怒ってないわよ?
一方的に電話を切られたけど。
でもほら、電話を切る前に一言言って欲しいのよ。
いきなりブチィッて切られたら、言いたいことも全部言えないじゃない。

何も言わなかったらいつもピッキングで入ってこようとする秀一くんに、家の鍵はいつもと同じ場所に置いてあるということを伝えるため、沖矢昴の名前をタップして電話をかけようとした。

そう、沖矢昴の文字をタップして電話をかけようとしたのに。
え?なんで?
どうして安室さんに電話がかかっているの?


「まさか、沖矢昴と僕を間違えるとは……。喧嘩を売ってます?」

『ヒェッ、売ってない売ってない売ってないで、ゲホッゴホッ…』


喧嘩を売ってます?の部分だけ異様に低い安室さんの声に、背中がブルリと震える。

どどどどどどうしよう!?
なんかすごく不機嫌なんだけど、どうしよう!?
いや、わかってたわよ?
安室さんが昴さんを何故か目の敵のように思ってることなんて。
その割には随分と波長があっていた発言が多く見られたけど……(前作29話など)。
まぁ、それは今は置いといて、この状況をどう対処すべきかよね。
う〜〜、どうしよう。
だるくて全然頭が回らない…。


「……もしかして、風邪をひいているんですか?」

『エッ。……………………………ちが「なるほど。風邪をひいているんですね」まだほとんど何も言ってないじゃないですか…』

「わかりました。僕が行きます」

『………はい?』

「風邪薬はありますか?ああ、あとはゼリーとかいります?」

『えっ、あの、ちょっ、別に来なくても……』

「大人しくいい子で待っていてくださいね?」

『あの安室さ、って、えっ!?!?ちょっ、むぐっ!?』


どんどん進んでいく話についていけなくなってきた時、するりと手から携帯を抜かれて、静かにと口元を手で押さえられた。


「そこまで気を使って頂かなくてもよろしいですよ。彼女は僕が看病をするので」

56→←*54【間違い電話には注意せよ】



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花松ロン(プロフ) - 初めまして。一気読みさせていただきました!!超面白くて、もう2人の関係にニヤニヤが止まりません笑 更新楽しみに待ってます!! (2023年2月23日 23時) (レス) @page37 id: 3241c90ca3 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千(プロフ) - 現在一気読みしているんですがめっちゃんこ面白いです‼︎更新楽しみにずっと待ってます (2022年5月15日 12時) (レス) id: daaa59ce20 (このIDを非表示/違反報告)
いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます (2021年2月24日 17時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!続きが気になるとこで終わっている....続きがめっちゃ気になります!いつか更新して頂けることを願っています!ぜひよろしくお願いします!これからも応援してます!!!!!!!!! (2020年9月13日 16時) (レス) id: 03b3e3161b (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!番外編の後に本編も必ず更新する予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2019年3月22日 12時

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