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『むぐぅ!?!?』


携帯を抜き取って私の口元を押さえてきたのは、少し前に電話で助けを求めた秀一くん(昴さん)。

何言ってるの秀一くん!?!?
あ、今は昴さんね。
沖矢昴モードだものね。うん、知ってる。分かったから、とりあえず開眼してる目を閉じて、今安室さんに言った言葉を撤回してほしい。

何故か昴さんへの対抗心(?)がエベレスト並みにある安室さんに、そんなこと言ったらどうなるかわからないじゃない。
いや、分かるわ。とりあえずめんどくさいことになるのよ。だからお願い、それ以上余計なことを言わないで。

という念を送るものの、昴さんは知らん顔でとんでもない爆弾を落としていく。


「Aさんとは10年以上前からの付き合いですので、お互いのことは貴方よりもとても深く(・・・・・)理解していますし」

『んぐ!?』

「彼女は僕に(・・)看病をしてほしいと電話をかけてきましたし」

『んぐぅ!!?』

「何より、彼女は僕の(友人の妹であり、あの男から守らなければならない)大切な人なので」

『んぐぅぅぅ!?!?!?』


アウトー!!完全にアウトよ!レッドカード!!
なんだか勘違いしそうなことばかり言ってるじゃない!!

昴さんの発言を色々と訂正するため、口を押さえられてる手を外そうと試みるがびくともしない。

むしろ押さえつける力が強くなってるような気がするんだけど。
アッ、これ絶対、力強くなってる。息が苦しい。離して離して。命の危険を感じるわよ。
そもそも、普通、病人にこんなことする?
もっと労ってくれてもいいんじゃない?

その後、昴さんは息苦しそうにしている私を見て、私の口元を押さえていた手を離し、なぜか私が寝ている部屋から出ていった。

え?え?なに??出て行かないといけないほどの会話をするの??できればここで電話をしてほしいんだけど??

今度はどんな爆弾を落とすのか見当もつかないし、後が怖いため、昴さんが何を話すか聞きたかったが、生憎今は熱のせいで会話が聞けるほど近くまで行くなんていう気力はない。
元気なのは思考と口だけである。

それでもやっぱり何とかして聞くことができないかと最大限に耳を澄ましたが、聞こえてくるのは昴さんが何かを言っているということだけ。

仕方なく布団の中で待っていると、通話が終わったらしい昴さんが扉をあけてこう言った。


「安室くんはAによほど惚れているらしい」

『待って?嘘でしょ?恋バナしてたの??』

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花松ロン(プロフ) - 初めまして。一気読みさせていただきました!!超面白くて、もう2人の関係にニヤニヤが止まりません笑 更新楽しみに待ってます!! (2023年2月23日 23時) (レス) @page37 id: 3241c90ca3 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千(プロフ) - 現在一気読みしているんですがめっちゃんこ面白いです‼︎更新楽しみにずっと待ってます (2022年5月15日 12時) (レス) id: daaa59ce20 (このIDを非表示/違反報告)
いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます (2021年2月24日 17時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!続きが気になるとこで終わっている....続きがめっちゃ気になります!いつか更新して頂けることを願っています!ぜひよろしくお願いします!これからも応援してます!!!!!!!!! (2020年9月13日 16時) (レス) id: 03b3e3161b (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!番外編の後に本編も必ず更新する予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2019年3月22日 12時

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