安室透にデコチューされるところから始まる話

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恋バナしてたの？発言に、昴さんはなにを言ってるんだという顔をしながら、そんなことはしていないと返してきた。

たしかに、安室さんの昴さんに対するあの態度を見てもなお、恋バナしてたの？と聞かれたら、何を言ってるんだって顔をしたくなるのはわかるけど。

でもさ、考えてみてよ。仲がいいとはあまり言えないこの2人なのに、昴さんは安室くんは私によほど惚れているらしいって言ったのよ？？

え？なんで？？なんでそんなこと知ってるの？？あの電話で恋バナをしていないと言うのなら、なんで昴さんは、安室さんは私に惚れてるらしいって言えたの？？何が昴さんにそう思わせたの？


「安室くんに「僕の方がAのことを好きですから」と何度も何度も言われたもんでな」

『…………何言ってるのよ安室さん』

「…そんなことを言ってる割には顔がゆるっゆるに緩んでるぞ」

『うるさい。っていうか、勝手に人の心を読まないで』

「Aが分かりやすすぎるだけだろう」


そう言いながら、携帯を返してくれた昴さん。
渡された携帯を受け取って、再びもぞもぞと布団の中に潜り込み、赤くなっているであろう顔を隠した。


「……付き合っているのか？」

『私が安室さんのことが好きなのかどうかは聞かないのね』

「見ていたら分かるからな」

『左様ですか』


まあね、なんとなくは分かってたのよ。
昴さんは私と安室さんが両思いなことに気づいてるんだろうなって。
なんでそんなことを思ったの？って言われたら、明確な根拠なんてないけれど、ほら、昴さんってめちゃくちゃ察しがいいじゃない？
だから、なんとなくだけど気づいているんだろうなと思ってたの。
いざ言われてみると、なんだか少し恥ずかしい気もするけれど。


『…付き合ってはないから』

「……ほぉー。その言い方だと、付き合っていないがそれなりのことはやっていると捉えてもいいんだな？」

『秀一くんってほんっっとそういうところ、デリカシーないよね。そんなたいそうなことはやってないから。これからだってしないし、付き合う気だって全然ないよ』

「今は昴だ」

『私の今の発言に対する答えがそれなの？？昴さんならその話し方をどうにかしてよ。その話し方だと秀一くんにしか思えない』

「彼のどのようなところが好きですか？」

『沖矢昴なら何を聞いても私は答えてくれるとか思わないでよ？？』

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