ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

大胆&芹那と川西 ページ45

『え・・・？』



私は呆然と白布くんを見る。


すると白布くんは少し首を下げて、私を見た。



白「早く。」



そう言って口を開ける。


私は溶けかかったスプーンのかき氷を、白布くんの口に持っていく。


・・・顔、熱い。


そして赤くなってる私を心なしか楽しそうな目で見る白布くん。


っ・・・・。


白布くんはかき氷を口に含むと、しゃりしゃり、と噛んだ。



『・・・どう？おいしい？』


白「・・意外と。ていうかこれ甘すぎ。」



そう言いながら白布くんは眉間にシワを寄せる。



『甘いのも苦手なの？』


白「甘すぎるのは苦手。」


『そうなんだ。』


白「うん。・・・それよりさっき華原すごいナチュラルにあーんしようとしたよね。」


『っ、・・無意識で。』


白「結構大胆じゃない？」


『そ、そうだね・・・』



可笑しそうに少し笑っている白布くんを横目で見る。


無意識もこれのせいかな。


・・・さっきから、


もっと近づきたい、って思ってる。









芹那side



芹「・・・いい感じじゃん！」


川「そだねー。」


芹「あーん、ってやばくない？」


川「まあそれはすごいよね。」


芹「だよね！」



あたし達さっき来たばかりなんだけど、


秒で2人を見つけた。


なんでか、って？


それはあの2人、いわゆる美男美女が歩いてたら、


周りの人の視線が集まるわけよ。


それに2人そこまで遠くに行ってなかったし。


ちょっと歩いてたら、



「見て、あそこの2人。」


「ん？・・え！あの人超かっこいい。顔きれい。」


「それにさ、隣の彼女も超美人じゃない？」


「わっ、ほんとだ。すごい可愛いね！てか細ー・・顔小さいし。」



そんな声がいたるところから聞こえてくる。


・・・さすがあたしのあかり。そして白布くん。


でもあかりって全然そういう声に気付かないんだよね・・・


白布くんはどうなのか知らないけど。


話している2人を見つめる。


あかりは顔を赤くしていて、


白布くんは可笑しそうに少し笑っていた。


・・・側から見ればカップルだわ。



川「もうカップルにしか見えなくない？」



そう頭上から声が聞こえたので、振り返る。


奇遇。おんなじこと思ってた。



芹「それ思った。」


川「ていうか華原さん浴衣やばいね、可愛い。」



・・・・・こいつ。



芹「・・ちょい待ち！」


川「何？」


芹「あんた、さっきあたしに可愛いって言ってないよね？」


川「・・・・・」

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