ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

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もっと頼ってもいい、


なんて言われるとは思わなかった。


胸がきゅう、ってなって、


すごく嬉しかった。


気づいたら自然と笑っていた。


そんな私を見た白布くんは、


少し目を見開いてからそっぽを向いてしまう。



『ど、どうしたの・・・？』


白「なんでもない。あと、なんか恥ずかしくなってきたから行っていいよ。」



さっきはダメって言ったのに・・・


ほんの出来心で言ってみた。



『やだ。ここにいる。』


白「・・・・は？」



白布くんは驚いたようにこちらを向く。



『白布くんのそば離れたくない。』



そう言うと、白布くんはさらに目を大きく開いてから、


いつかのように顔を真っ赤に染めた。



『・・・・ふ、ふふ。』



そんな白布くんが可愛くて、堪えていた笑いが溢れる。



白「は？」


『っ、・・ごめんね白布くん。ちょっと言ってみたかっただけ。』


白「・・・・・・・」



白布くんは私に白い目を向けてから、再び向こうを向いて頭まで布団を被った。


・・・拗ねた？



『ほ、本当にごめんね。じゃあ私もう行くから・・・』



返事はない・・・・


静かにカーテンを開いて、外に出る。


ぴしゃん、と保健室のドアを閉めて体育館へ向かった。



・・・でも、白布くん、怒らないんだなぁ・・。


結構怒られる覚悟はできていたけど、


白布くん顔真っ赤にするだけだった。


優しさ・・・なのかな？



体育館に着いて、


白布くんの容態を伝えようと佐々木先生を探す。


すると、ちょうど前で話し終えた佐々木先生が戻って来て、


私を見つけるとこちらへやってきた。



佐「華原、ありがとうな。白布はどうしてる？」


『熱を測ったら38.2度もあったので、冷えピタを貼ってから水分を取って寝てもらいました。』


佐「え、・・・それ全部華原がやってくれたの？」


『はい、一応。』



佐々木先生は目を見開いた。



佐「まじか。すごいな。」


『い、いいえ。』


佐「で、なんだけど。」


『はい・・？』


佐「俺、今から白布の親に連絡して迎えに来てもらうから、それまで白布についててくれないか？」


『わ、私がですか？』


佐「ああ。俺今から客人の相手しないといけないんだ。」


『そうなんですか・・分かりました。』


佐「あと、悪いんだけど白布のカバンの用意と、白布の親が来たら案内してほしいんだが・・」


『わ、分かりました。』


佐「いいか！？本当にありがとう、華原。」

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