ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

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奈々ちゃん・・・・



ちょっといつもと様子が違うような気がしたけど、どうしたのかな？



心配・・・



そう思っていた時、



ガタ、と隣から机の音がした。



急いで隣を見る。




『白布くんおはよ・・・え！？』



白「ごほっ、・・・おはよ。」



『ど、どうしたの白布くん！風邪・・・？』




向いた先にはマスクをしていて顔色の悪い白布くんがいた。



マスクの上から手を当てて、咳をしている。




白「まあそんな感じ？喉やられたわ・・・」



『うん、いつもと声違うもん。どうして風邪引いちゃったの？』



白「昨日雨降ったじゃん・・？俺傘忘れて、部活の後走って帰ったからだと思う。」



『それ絶対身体冷えちゃう。誰かに入れてもらえばよかったのに・・』



白「・・・めんどくさいし？」



『そ、そっか。熱とかは？ないの？』



白「ない。そんな心配そうな顔すんなって。」




それは無理、と言おうとしたが、



ホームルームが始まったため、遮られた。



白布くんが心配なまま、ホームルームは進んでいって、



最後の連絡のあと、佐々木先生が白布くんを見て言った。




佐「白布、本当に顔色悪いけど大丈夫か？」



白「・・大丈夫です。」




絶対大丈夫じゃない・・・




佐「辛かったら絶対言えよ？じゃ、終業式だから全員廊下並べー。」









クラス全員で並んで体育館へ向かっている時、




芹「あかり、白布くん大丈夫なの？」




後ろの芹那が私に言う。




『大丈夫じゃないと思う・・・』



芹「顔色悪すぎるしね・・・」



『だよね・・・』





体育館に着いた時、白布くんのところへ佐々木先生が歩いて行った。




佐「白布、お前やっぱり保健室行け。」



白「ええ・・・」



佐「ええ・・じゃない。このまま立ってたら倒れそうだから。」



白「・・・わかりました。」



佐「よし。じゃ、保健委員ー？誰だっけー？」




・・・保健委員って誰だっけ。



考えていると、後ろから背中を叩かれているのに気が付いた。



振り返ると、




芹「保健委員あかりでしょ！？」




芹那が焦りと呆れが混じったような顔で言う。



・・・って、保健委員私だった！




『は、はい。』




急いで手を上げながら返事をした。




佐「華原か。ちょっと白布を保健室に連れてってくれる？」



『はい。』




私はさっきより顔色が悪くなっている白布くんを見てから、



彼の腕をそっと両手で掴んで少し先を歩き出した。

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