ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

恋・・とは ページ35

優「白布くんはどんな子なの？」



『えーっと、・・・さっきも言ったようにとにかくかっこよくて、冷たくて優しいんです。』



優「？・・冷たくて優しいの？」



『なんか・・・たまに冷たいけど基本的に優しい？いや、たまに優しいけど基本的に冷たい・・？』



優「ふ、ふぅーん。よくわからないけど、いい子なのね？」



『もちろんです！』



優「ふふっ、そう。良かった。」




優子さんが私を見てから楽しそうに笑う。




優「あかり、その子のこと好きだったりしないの？」



『っ、・・よくわからないんです。』



優「え、どういうこと？」




不思議そうな目をする優子さん。



・・・好き、とは。



好きってどんな感じ？




『優子さん、恋ってどんな感じですか？』



優「え、あんた初恋まだなの！？」



『そ、うです。やっぱりおかしいですか？』



優「そ、そういうわけじゃないわよ。あかりにはあかりのペースがあるもんね・・・」



『はい・・・』



優「うーん、恋、・・恋ねぇ。」




どんな感じなんだろう。



知りたい。




優「・・・つい、その人のことを考えていたり、目で追っていたり、会いたいとか、もっと近づきたいとか思っちゃうのよ。」



『・・・そう、なんですか。』



優「まあ、あくまで私の経験だけどね〜・・私の青春なんてそんないいものじゃなかったし。」



『じゅ、充分です。ありがとうございます。』



優「別に〜。で、どう？当てはまる？」




正直に言ってしまえば、




『・・・当てはまってる、かもしれません。』



優「えっ！ほ、本当！？」



『はい・・・私、白布くんのこと好きなんでしょうか？』




そう聞くと、優子さんは空いていた口を塞いでから、



にっ、と笑った。




優「確証はない、ってことね？」



『はい・・・』



優「なら、確かめればいいじゃない。花火大会で。」



『！』





・・・私が、白布くんのことを好きなのか。



分かるのかな・・・花火大会で。




『・・・そうしてみます。』



優「うんうん。分かるといいわね〜。」



『はい！』



優「ところで、浴衣とか着ちゃったりするの？」




・・・あ。




『着る、つもりだったんですが・・・』




この前、家に浴衣がないか探したんだけど・・・



なかった！



でも、浴衣高いだろうし、お姉ちゃんにも頼みにくくて・・



浴衣は諦めようとしていた。




優「着ないの？」



『はい・・家になくて。』

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