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ar side
気まずい雰囲気を破ったのは..._____
「.......やっと言ってくれたね.......、名前」
...それは言われて初めて気づいた。
悲しそうに笑った顔は目を背けたくなるほど骨ばって。
「.....これ、置いてったでしょ?」
ベットの隣の棚から大切そうに取り出されたハンカチ。
置いたときはくしゃくしゃだった筈なのに、丁寧に畳んである。
あぁ、と一つ返事をすればさっきの笑顔とはうってかわって嬉しそうに微笑む。
「.....嬉しかった」
なんで、なんていくら考えてもわかんなくて。
最低で、なにも気にかけてなかった。
「.....俺ね、好きなんだ。お前のこと」
信じられないでしょ、と図星をつかれて。
「だけど.....もう疲れちゃった」
ずっと一人で思い続けるのって辛いんだよ、それを言われて胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
「.....もう終わりにしよう」
「...俺じゃなくても血はあるし、俺より綺麗な女の子もいるでしょ?」
.....違う、ちがう。
俺はお前が....._____。
今にも大きな瞳から零れ落ちそうな涙。
隠しているつもりなのかもしれないけど、必死に太ももを掴んでいる。
俺は、どれだけこいつに我慢させたんだろう。
何回、一人置いて。
「これも、返すね..........、っ!」
言葉もなしに、その手をひっぱった。
胸の中にぎゅっと壊れないように抱きしめて。
『.........一人でどんだけ待ってた?』
『どれくらい、...一人で泣かせた?』
「っ、.....ずっと.......ずっと待ってたっ、一人でっ.......たくさん.....っ」
じわじわとぬれていく俺の服。
でも、これよりも何倍も何倍もこいつは...。
『.....俺の話、聞いて』
伝えるから、俺の思い。
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ぶたのすけ(プロフ) - 花奏さん» ありがとうございます!私も言われて始めて気づきました.........!至らぬ点もあると思いますが、これからもよろしくお願い致します! (2020年2月3日 22時) (レス) id: 3bbe1d2ec0 (このIDを非表示/違反報告)
花奏(プロフ) - 赤星おめでとうございます!これからも応援させていただきます! (2020年2月3日 20時) (レス) id: ed1d1a00c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぶたのすけ(プロフ) - かぷなさん» はじめまして!凄く嬉しいです、本当にありがとうございます! (2020年1月22日 7時) (レス) id: 3bbe1d2ec0 (このIDを非表示/違反報告)
かぷな - はじめまして!有岡くんのキャラ、今まで読んだ小説の中で一番好きでした。すごく文章構成も上手で尊敬してます!これからも頑張ってください! (2020年1月22日 6時) (レス) id: 5f37aa5d10 (このIDを非表示/違反報告)
ぶたのすけ(プロフ) - 花奏さん» 花奏様、コメントありがとうございます!そう言っていただけて何よりです!応援本当にありがとうございます。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: 3bbe1d2ec0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶたのすけ | 作成日時:2019年12月18日 19時