もしも、神様ってやつがいるならさ。 (ページ2)

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『神崎さん、また櫻井くんと一緒に来てたよ～？』

『やっぱり付き合ってんだろうね』

『一年のときから仲良さそうだったしね…』

『まぁ、神崎さんなら美人だし仕方ないよ～』

授業開始ギリギリに講義室に入ってきた私を見て。

入り口付近に座っていた女の子たちが、ここぞとばかりにヒソヒソ話を始める。

…だから。そんなんじゃないんだってば！

って、すぐに否定したい気持ちはグッとこらえて。

こっちこっち～って私にだけ分かるように小さく手招きしてる親友の沙友里の元へ向かう。

窓際の後ろから二番目。

受講者が多いこの講義では、大抵早く来ないと席が無くなっちゃうんだけど

いつも沙友里が私の分の席も取っておいてくれるから助かってる。

沙「今日もお二人さんはラブラブ登校ですか～(笑)」

さっきの会話が聞こえていたのか、席に着くなり沙友里が私を茶化してくる。

にやにや。完全に誤解してる顔。

「違うんだって。家が近くだから、たまたま…」

沙「たまたまでそんな毎回同じになる？実は翔くんアンタのこといつも待ち伏せしてんじゃなぁい？(笑)」

「……まさか」

まさか、ね。

櫻井だってそんなに暇人じゃないし、そんなわけないだろう…けど。

私がマンションを出て駅に向かっていると、かなりの確率で「よぉ」って後ろから現れるから。

そのまま一緒に電車に乗って大学に来ちゃうのがいつものパターン。

…とってる授業もけっこう被ってるからね。

仕方ないよ。こればっかりは…。

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