ぼくら、すんでいーい？ 【歌い手】【そらまふうらさか】

･ ページ32

「はいはい、おねいさん、こっちです。たてますかー？」


うらたんが謎の慣れた手つきで私の背中をとんとんとさする。

でもそれに対するツッコミもできる気が無く

「…ん……ごめ…」

と言ってフラフラと立ち上がる。

どこに連れていかれるのかと思いきや、あの子達の部屋だ。


扉をまふくんが開けてくれる。

中に入ると布団が敷いてあった。

私は吸いこまれるように布団に倒れ込む。

すると何かひやりとした小さなものがおでこに当たった


「………やっぱりねつでてるでしょ。うそつきはだめでそ。」

そらるさんがまた口をとんがらせて言った。

「はい！おふとん！」

そう言って一生懸命背伸びをして倒れ込む私に布団をかけてくれた。


「…あんがと。」

私は小さく言った。

すると何か濡れているものが顔全体に乗ってきた

窒息死しそう！

手を動かそうにもうまく動いてくれない




「おいっ！さかた！！」


うらたんの声がしてその濡れているものが顔からどいた。

すーすーとした涼しさが顔に感じる。


「そんなにびしょびしょにするな！ばか！おねいさんがしぬでしょ！！」

どこん！ばきっ！


「うわあああああああああん！」

「ないちゃだめ！おねいさんがおきちゃう！！」

「……たいおんけいってどうやってつかうの？」

「なんかおもちゃであそぶー？」

「ばか！こんなときにあそぶかっ！！」









破壊音やら叫び声やらがたくさん聞こえてくるけど、なぜか心地よかった。

･→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す